玄米は白米と比べて食物繊維や一部のビタミン・ミネラルを多く含むことから体重管理との関係にも関心が寄せられています。では玄米を食べることで実際に体重は変わるのでしょうか。また、その関係は科学的な研究によってどこまで確かめられているのでしょうか。
玄米と白米を比較した臨床試験では体重や腹囲の減少が報告された研究がある一方、明確な差が認められなかった研究もありますし複数の研究を統合したメタアナリシスでは体重・BMI・腹囲について一定の差が示されていますが研究結果のばらつきや科学的根拠の確実性も検討されています。
こうした研究を理解するには体重が何kg変化したのかという数字だけでなく、どのような人を対象に、どのような条件で比較したのかを確認することが大切です。今回は玄米と体重管理に関する臨床試験やメタアナリシスを取り上げ体重・BMI・体脂肪・腹囲の違いから研究結果の読み方まで科学的根拠に基づいて詳しく見ていきます。
玄米と体重管理の関係は研究で確かめられているのか
玄米は食物繊維やビタミン・ミネラルを含む主食として知られています。白米と比べて栄養成分に違いがあることから体重管理との関係にも関心が寄せられていますが実際に食べた人の体重が変化どうなるのでしょうか。そこで注目したいのが玄米を食べることと体重・BMI・腹囲などの関係を調べた科学的研究です。
玄米と白米を比較する研究
例えば2022年に発表されたGolzarandらのメタアナリシスでは玄米と白米を比較した13件のランダム化比較試験を統合し体重・BMI・腹囲などへの影響を検討しました。その結果、体重については6試験を統合した分析で玄米群が白米群より平均1.63kg低くBMIについても平均0.58kg/m²・腹囲については平均2.56cm低いという結果が報告されました。
ただ研究ごとの結果には大きなばらつきがあり科学的根拠の確実性も低い、または非常に低いと評価されていますので、これらの数値を玄米を食べれば誰でも同じように体重が減ることを示す結果として受け取ることはできません。
このように複数の研究を統合した結果から一定の傾向が見えてくる場合でも、その数値がどのような研究条件から導かれたのかを確認することが大切です。玄米と体重管理の関係については実際に研究が行われていますが、すべての研究で同じ結果が得られているわけではありません。
メタアナリシスとは同じテーマについて行われた複数の研究結果を統計的に統合し全体としてどのような傾向があるのかを調べる分析方法です。
体重管理と体重減少は同じ意味ではない
ここで区別しておきたいのが「体重管理」と「体重減少」で体重減少は文字どおり体重が減ることを指し一方、体重管理には適切な体重を維持することや体重の増加を抑えることなども含まれます。また体重が減少した場合でも、その変化が体脂肪の減少によるものなのか水分量や筋肉量の変化によるものなのかは体重の数値だけでは判断できません。
そのため玄米と体重管理の科学的根拠を理解するには体重の増減だけでなく研究で何を測定し、どのような条件で比較したのかを確認することが大切です。玄米を食べることと体重管理の関係は、どこまで科学的に確かめられているのか個別の研究と複数の研究を統合した結果を順に読み解いていきます。
体重・BMI・体脂肪・腹囲は何が違うのか
玄米と体重管理に関する研究を読むと体重のほかにBMI・体脂肪率・腹囲といった数値が登場しますがいずれも身体の状態を知るための指標で測定している内容は異なります。研究結果を正しく理解するために、それぞれの意味を確認しておきましょう。
体重とBMIから分かること
体重は身体全体の重さを表す数値で体脂肪・筋肉・骨・水分などが含まれています。体重が減少したという結果だけでは身体のどの部分に変化があったのかまでは分かりません。BMIは身長と体重から計算する指標で次の式で求められます。

例えば身長160cm・体重60kgの場合BMIは約23.4でBMIは体格を比較する際に便利ですが体脂肪と筋肉を直接区別する指標ではありませんのでBMIが低下したという結果を、そのまま体脂肪が減少した証拠として扱うことはできません。
BMI(Body Mass Index)とは身長と体重から算出する体格の指標で日本語では「体格指数」と呼ばれます。体重(kg)を身長(m)の2乗で割って求めます。日本では一般にBMI18.5未満を低体重・18.5以上25未満を普通体重・25以上を肥満に分類します。
体脂肪率と腹囲から分かること
体脂肪率は体重に占める脂肪の割合を示し測定方法には生体電気インピーダンス法やDXA法などがあり方法によって測定精度や注意点が異なります。一方、腹囲はお腹周りの長さを測定した数値です。腹部の脂肪蓄積を考える手掛かりになりますが皮下脂肪と内臓脂肪を直接区別して測定しているわけではありません。内臓脂肪の面積などを詳しく調べる場合にはCTなどの画像検査が用いられることもあります。
生体電気インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis:BIA)とは身体に微弱な電流を流し電気の流れにくさ(インピーダンス)を測定して体脂肪率や筋肉量などを推定する方法です。
DXA法(Dual-energy X-ray Absorptiometry:二重エネルギーX線吸収測定法)とはエネルギーの異なる2種類のX線を利用して骨量・脂肪量・除脂肪軟部組織量などを測定する方法です。
研究で使われる指標を比較する
| 指標 | 何を測定するのか | 読み取る際のポイント |
|---|---|---|
| 体重 | 身体全体の重さ | 脂肪・筋肉・水分などを含む |
| BMI | 身長と体重から算出する体格の指標 | 体格を表すが体脂肪量は直接示さない |
| 体脂肪率 | 体重に占める脂肪の割合 | 測定方法による違いがある |
| 腹囲 | お腹周りの長さ | 腹部の脂肪蓄積を考える手掛かり |
| 内臓脂肪面積 | 腹部内臓周囲の脂肪の面積 | CTなどで評価する |
実際に2017年に公表された玄米と白米の比較試験では体重・BMI・体脂肪率が測定されていますが、これらの変化について両グループ間に統計的に有意な差は認められませんでした。このように研究で体重が測定されていても体脂肪や腹囲まで同じように変化しているとは限りません。玄米と体重管理の研究を読む際には、どの指標に変化が認められ、どの指標には明確な変化が認められなかったのかを分けて確認することで研究結果をより具体的に理解できます。
玄米と白米を比較した臨床研究では何が分かったのか
玄米と体重管理の関係を調べるためには実際に玄米を食べた人の体重や腹囲がどのように変化したのかを確認する必要があります。その方法の一つが玄米を食べるグループと白米を食べるグループを比較する臨床試験ですが。ここでは2017年に日本で実施された研究と2019年にインドで実施された研究を取り上げます。どちらも玄米と白米を比較していますが対象者や米の加工方法ほか研究目的には違いがあります。
2017年|日本の糖尿病予備群41人を分析した研究
Arakiらは糖尿病予備群に該当する40~64歳の過体重成人を対象に部分搗精玄米(ぶぶんとうせいげんまい)と白米を比較する12週間のランダム化比較試験を実施しました。参加者42人を21人ずつ2群に割り付け介入前に辞退した1人を除く41人を解析対象としました。指定された米飯を1回200g・1日2回食べる条件で体重や腹囲などを測定しています。部分搗精玄米とは玄米の表面をわずかに加工して吸水性や食感を改善した米です。
2017年に発表された研究では筑波大学医学医療系に所属していた荒木理沙氏らの研究チームが糖尿病予備群の過体重成人を対象に部分搗精玄米と白米を比較するランダム化比較試験を実施しました。
| 測定項目 | 部分搗精玄米群 | 白米群 |
|---|---|---|
| 体重の平均変化量 | −2.4kg | −0.2kg |
| 腹囲の平均変化量 | −3.1cm | −0.4cm |
体重と腹囲の変化量には統計的に有意な群間差が認められました。体重ではp値が0.001未満、腹囲では0.01未満でした。この結果は部分搗精玄米を継続して食べることと体重・腹囲の変化に関係がある可能性を示していますが対象者は糖尿病予備群の過体重成人であり通常の玄米や異なる健康状態の人に同じ結果が当てはまるとは限りません。
p値(ピーち)とは?研究で観察された差が偶然のばらつきによって説明できるかを判断するための統計上の数値で一般的にはp値が0.05未満の場合に「統計的に有意な差がある」と判断されますがp値だけでは差の大きさや健康上の意味までは分かりません。
2019年|インドの過体重成人166人を対象とした研究
Malikらはインド南部のチェンナイで25~65歳の過体重成人166人を対象に玄米と白米を比較するランダム化クロスオーバー試験を実施しました。クロスオーバー試験とは参加者が異なる期間に両方の食事条件を経験し、その結果を比較する研究方法です。
この研究ではパーボイル加工した玄米と白米を、それぞれ3か月間食べる条件を設定しました。介入期間の間には2週間の休止期間を設け週6日、朝食と昼食の2食で指定された米を提供しました。主な研究目的は血糖値やインスリンそして脂質などの糖尿病リスク因子を調べることでしたが体重・BMI・体脂肪率・腹囲などの身体測定も実施しています。
2つの研究から見えてくる違い
研究内容を比較すると、次のようになります。
| 比較項目 | Arakiら(2017年) | Malikら(2019年) |
|---|---|---|
| 実施国 | 日本 | インド |
| 対象者 | 糖尿病予備群の過体重成人 | 過体重成人 |
| 登録人数 | 42人(解析41人) | 166人 |
| 研究期間 | 12週間 | 各3か月間 |
| 玄米の種類 | 部分搗精玄米(ぶぶんとうせいげんまい) | パーボイル加工玄米 |
| 主な研究目的 | 体重・代謝指標への影響 | 糖尿病リスク因子への影響 |
| 体重管理に関する結果 | 体重・腹囲の変化量に有意な群間差 | 明確な優位性を示す結果ではない |
同じ玄米と白米の比較でも研究結果を読み取る際には米の加工方法だけでなく対象者の健康状態や食事条件にも目を向ける必要がありますし体重や腹囲の変化が報告されていても、それだけで体脂肪の減少や長期的な健康への影響まで確認できたことにはなりません。個別の臨床研究は玄米を食べた場合にどのような変化が起こり得るのかを知るための重要な資料ですが 一方で研究によって結果が異なる場合には複数の研究を合わせて検討することも必要になります。
次の章では玄米と白米を比較した研究を統合したメタアナリシスを取り上げ体重・BMI・腹囲について全体としてどのような結果が報告されているのかを見ていきます。
メタアナリシスで見る玄米と体重管理の関係
個別の臨床試験では玄米と白米を比較しても体重に明確な差が認められない研究がある一方、体重や腹囲の減少が報告された研究もあります。こうした結果をまとめて検討する方法がメタアナリシスで複数の研究結果を統計的に統合することで個別の研究だけでは分かりにくい全体的な傾向を調べることができますが研究を統合すれば必ず確かな結論が得られるわけではありません。研究ごとの条件や結果の違いも確認する必要があります。
2021年のメタアナリシス|体重への影響を調べた研究
2021年に発表されたメタアナリシスでは糖尿病予備群または2型糖尿病の成人417人を対象とした7つの臨床試験を統合し玄米と白米の健康指標への影響を検討しました。このうち体重について報告した5試験・197人のデータを分析したところ玄米群は白米群と比較して体重が平均2.20kg低いという結果が示されました。95%信頼区間は−3.13〜−1.26kgで統計的に有意な差が認められました。
ただ、この数値は玄米を食べた人が平均2.20kg減量したという意味ではなく玄米群と白米群を比較した統合結果を表しています。さらに、この研究では統合結果に大きく影響していた個別研究があることも確認されています。それが2017年に発表されたArakiらの研究です。
Arakiらの研究を除いて再分析したところ体重の群間差は−2.19kgでしたが95%信頼区間は−4.92〜0.53kgとなり統計的に有意な差は認められなくなりました。これは推定された体重差がほぼ同じであっても結果の不確実性が大きくなったことを意味します。95%信頼区間に差がないことを表す0kgが含まれているため玄米群と白米群の間に明確な差があるとは判断できなくなったのです。
このようにメタアナリシスでは複数の研究を統合することで全体的な傾向を調べられますが特定の研究が結果に大きな影響を与える場合もありますので統合された数値だけを見るのではなく、どの研究が結果に影響しているのか特定の研究を除いても結論が変わらないのかを確認することが大切です。
2022年|13試験を統合したメタアナリシス
Golzarandらによるメタアナリシスでは玄米と白米を比較した13件のランダム化比較試験が対象となりました。そのうち体重・BMI・腹囲について統合された結果は次のとおりです。
| 指標 | 玄米群と白米群の差 | 95%信頼区間 | 試験数 |
|---|---|---|---|
| 体重 | −1.63kg | −2.15〜−1.11kg | 6 |
| BMI | −0.58kg/m² | −0.78〜−0.37kg/m² | 6 |
| 腹囲 | −2.56cm | −4.86〜−0.26cm | 5 |
これらの数値は玄米群と白米群の統合された平均的な差を示しています。例えば体重差−1.63kgは玄米を食べた人全員の体重が1.63kg減少したという意味ではありませんし研究間の結果のばらつきを表すI²は体重97%・BMI96%・腹囲88%と高い値でした。研究者らはGRADEという方法でエビデンスの確実性を評価し低い、または非常に低いと報告しています。
95%信頼区間とI²から何が分かるのか
95%信頼区間は推定値にどの程度の統計的な不確実性があるかを示す範囲です。体重差−1.63kgに対する95%信頼区間は−2.15〜−1.11kgであり差がないことを表す0kgを含んでいません。この統合分析では統計的に有意な差が示されたことになります。
一方I²は研究間の結果のばらつきに関する指標で2022年の分析では体重のI²が97%と非常に高く研究結果に大きな違いがあることを示していますので統合結果が統計的に有意であっても玄米による体重への影響が誰にでも同じように現れると判断することはできません。
I²(アイ・スクエアード)とは?メタアナリシスで統合した複数の研究結果に、どの程度のばらつきがあるかを示す統計指標で数値が大きいほど研究間の結果に違いがあることを示し一般的に75%以上では異質性が非常に大きい可能性がありますがI²だけで研究の信頼性や効果の大きさを判断することはできません。
2つのメタアナリシスをどう読み解くか
2021年と2022年の分析では、どちらも玄米群の体重が白米群より低いという統合結果が報告されましたが対象者の条件や採用した研究が異なり両分析には同じ臨床試験が含まれている可能性がありますので2つを独立した証拠として単純に合算することは適切ではありません。
また2021年の分析では特定の研究を除外すると有意差が認められなくなり2022年の分析では研究間のばらつきが非常に大きいという特徴がありました。このように研究結果を読む際には体重が何kg変化したかだけでなく対象者・比較条件・95%信頼区間・研究間のばらつきまで確認することが重要です。現時点では玄米を白米と比較して体重が低くなる可能性を示す研究結果はありますが、その影響の大きさや確実性については、さらに検討が必要です。
研究結果に違いが生まれる理由とは
玄米と白米を比較した研究では体重や腹囲の減少が認められたものがある一方、統計的に有意な差が認められなかったものもあります。なぜ同じ玄米を対象にした研究でも結果が異なるのでしょうか。その理由を考えるには玄米の栄養成分だけでなく研究に参加した人の特徴や食事条件、玄米の加工状態などを確認する必要があります。
研究対象者の体格や健康状態による違い
体重管理の研究では対象者がどのような人たちだったのかが重要です。例えば2017年のArakiらの研究では糖尿病予備群に該当する過体重の成人を対象に部分搗精玄米と白米を12週間比較しました。その結果、部分搗精玄米群では体重が平均2.4kg減少し白米群との差も統計的に有意でした。
食事全体の条件も確認する
玄米と白米を比較する際には米の種類だけでなく食事全体の条件も重要です。例えば白米を玄米に置き換えても食事量が同じ場合と食事全体の摂取エネルギーも変化した場合では結果の意味が異なります。また研究期間中の間食・副菜・身体活動なども体重の変化に関係する可能性がありますので体重が減少した研究では「玄米を食べたから減った」と考える前に両グループの食事条件がどこまでそろえられていたかを確認する必要があります。
玄米の加工状態による違い
研究で使用される玄米も必ずしも同じ状態ではありません。一般的な玄米のほか表面を一部削った部分搗精玄米や発芽玄米などが研究に使用されています。実際に2022年のメタアナリシスでは玄米と発芽処理した玄米について、それぞれの結果が検討されています。加工状態によって食感・吸水性・成分などに違いが生じる可能性があるため研究結果を比較する際には使用された米の種類も確認したいところです。
食物繊維や満腹感は体重管理に関係するのか
玄米には白米より多くの食物繊維が含まれており食物繊維は食事の満足感や消化管内での働きに関係する栄養成分として研究されていますが玄米に食物繊維が多いという事実だけで体重が減少するとは判断できません。満腹感についても食後にどの程度満足感が続いたかという主観的な評価と長期間の体重変化は区別する必要があります。玄米による満腹感の変化が実際の摂取エネルギーや体重の変化につながるかどうかは、それぞれを測定した研究で確認することが重要です。
研究結果を比較するときの視点
| 比較する項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 対象者 | 年齢・BMI・健康状態 |
| 研究期間 | 何週間継続して食べたのか |
| 食事条件 | 米の種類以外に食事内容の違いがあるか |
| 玄米の種類 | 通常の玄米・部分搗精玄米・発芽玄米など |
| 食物繊維 | 摂取量を測定しているか |
| 満腹感 | 主観的な満足感や食欲を測定しているか |
| 身体活動 | 運動量や生活習慣を考慮しているか |
このように玄米と体重管理の研究結果には複数の条件が関係している可能性があります。2021年のメタアナリシスでは統合結果に大きく影響していた研究を除外すると体重の群間差は統計的に有意ではなくなりました。研究結果の違いを理解するには玄米の働きを一つの理由で説明するのではなく研究条件と結果を照らし合わせて考えることが大切です。
玄米と体重管理について科学的にどこまでいえるのか
玄米と白米を比較した研究では体重・BMI・腹囲の減少を示す結果が報告されていますが研究によって結果が異なり玄米を食べることが体重管理にどの程度役立つのかについては、まだ検討すべき点が残されています。では現在の科学的根拠から何が分かり、どのようなことは判断できないのでしょうか。
研究から確認できること
2022年のメタアナリシスでは玄米群は白米群と比較して体重が平均1.63kg、BMIが0.58kg/m²腹囲が2.56cm低いという統合結果が示されました。これは玄米を食べることと体格に関する指標との間に一定の関係が認められる可能性を示す結果ですが一方この分析では研究間のばらつきが大きくエビデンスの確実性も低い、または非常に低いと評価されています。
まだ十分に明らかになっていないこと
現在の研究では玄米を食べ続けた場合の長期的な体重変化や年齢・体格・生活習慣による影響の違いについて十分な結論が得られているわけではありません。また体重が減少した場合でも、その変化が玄米の食物繊維によるものなのか食事全体の摂取エネルギーやその他の条件によるものなのかを明確に区別することは容易ではありません。今後は研究期間を長く設定した臨床試験や食事条件を適切に管理した研究の蓄積が期待されます。
研究結果を日常の食生活にどう生かすか
玄米は主食の選択肢の一つであり、白米と比べて食物繊維や一部のビタミン・ミネラルを多く含むという栄養上の特徴があります。体重管理を考える際には玄米だけに注目するのではなく食事全体の摂取エネルギー・栄養バランス・身体活動なども含めて考えることが大切です。
また玄米を取り入れる場合も毎食玄米にする必要があるとは限りません。食べやすさや生活習慣に合わせて主食を選ぶことができます。科学的研究は玄米という食品を理解するための手掛かりを与えてくれます。研究で示された数値は、どのような人を対象に、どのような条件で得られた結果なのかを確認するというそうした視点を持つことで玄米と体重管理の関係を科学的根拠に基づいてより適切に理解できるようになります。
あとがき|体重計の数字にも物語がある
体重を測るとき私たちは体重計に表示された数字に目を向けますが、その数字には脂肪や筋肉だけでなく体内の水分や食べたものの重さなども含まれています。例えば同じ人が朝と夜に体重を測ると食事や水分摂取、排泄などの影響によって数字が変わることがあります。体重は一日の中でも動いているため一度の測定値だけでは体の変化を十分に読み取れないのです。
ここで少し興味深いのが私たちの体重を構成するものの中で水分が大きな割合を占めていることで成人の体内水分量は年齢や体格、体組成などによって異なりますが一般的には体重の約50〜60%程度とされています。
こうして考えると体重計の数字は単に体の大きさを示すものではなく、そのときの体の状態を映し出す一つの記録ともいえます。玄米を毎日の食事に取り入れるときも体重という一つの数字だけに目を向けるのではなく、ご飯の味わいや噛み応え食後の満足感など自分自身が感じる変化を楽しんでみるのもよいでしょう。
日々の食卓で玄米を味わう時間と自分の体について少しずつ理解を深める時間。その両方を大切にすることが玄米のある暮らしをより豊かなものにしてくれるかもしれません。
ここまでお読みくださりありがとうございます。さらに玄米とコレステロールや血圧についてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。
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