茶碗によそわれた玄米ご飯から少し視野を広げてみると、その周りにはさまざまな食と暮らしの文化が広がっています。握ればおにぎりになります。玄米を搗いて精米すれば白米と米ぬかに分かれ、米ぬかからはぬか床やぬか漬けなどの文化も生まれました。さらに玄米や米は挽く・蒸す・搗く・発酵させるなど人が手を加えることでさまざまな食品へ姿を変えていきます。
現代ではマクロビオティック・自然食・オーガニック・ヴィーガン・プラントベースなど新しい食の価値観とも玄米は結びついています。世界へ目を向ければ玄米(Brown Rice)や全粒穀物(whole grain)として日本とは異なる食べ方や捉え方にも出会うことができます。
この文化編では「一粒の玄米に人が手を加えることで、どのような文化が生まれ広がっていったのか」という視点から玄米を見ていきます。いつもの茶碗にある一膳の玄米から米ぬか・加工食品・現代の食文化そして世界の食卓へ。一粒の玄米から枝分かれしていく食と暮らしの文化を一緒にたどってみましょう。
※早速結わえる寝かせ玄米ごはんパックについてご興味がおありの方は下の緑色のボタンから公式サイトにリンクしておりますので詳しくご覧いただけます。
玄米を食べる|一膳のご飯から広がる文化
田んぼで収穫された稲から籾殻を取り除くと玄米になります。その玄米に水を加えて炊くことで私たちが食べる玄米ご飯になりますが炊いて食べるという行為は単にお米を調理しているだけではありません。
玄米を水に浸し火を使って炊き蒸らして茶碗によそう。そして箸を使って一口ずつ食べる。その一連の営みの周りには炊飯に使う道具・茶碗・箸・食卓など、さまざまなものが存在しています。
さらに一膳の玄米ご飯を食卓の中心に置いてみると、その周囲には味噌汁・野菜・豆・魚・漬物などのおかずが並びます。ご飯と汁物やおかずを組み合わせて食べることも米を主食としてきた日本の食文化の一つです。玄米だけを見るのではなく一膳のご飯を中心に食卓全体を見ることで米とともに育まれてきた食事の形が見えてきます。
ご飯は茶碗で食べるだけでもありません。握ればおにぎりとなり持ち運ぶことができます。弁当箱にご飯とおかずを詰めれば家庭の食卓から離れた場所でも食事をすることができます。現在では玄米のおにぎりや玄米弁当も見られ一膳とは異なる形で玄米を楽しむことができます。
このように考えてみると玄米文化の出発点にあるのは特別な料理や難しい知識ではなく「炊いて食べる」という身近な営みです。一粒の玄米に水と火を加えてご飯にする。そのご飯を茶碗によそい料理と組み合わせ時には握り持ち運ぶ。人が玄米を食べようとするところから、その周囲にさまざまな食文化が広がっていきます。
玄米を搗く・精米する|一粒を分けることから生まれた文化
玄米は炊いてそのまま食べることができます。一方で人は玄米にさらに手を加え表面を削ることでも利用してきました。それが米を搗く(つく)ことや精米することです。玄米の表面には糠層があり、その内側には胚芽や胚乳があります。
玄米を搗いたり精米したりすると外側の部分が取り除かれ精米の程度によって分づき米や白米などへ姿を変えていきます。ただ玄米が白米になることだけではありません。玄米を搗くためには、そのための道具や作業が必要になります。
かつて米を搗くために使われてきた杵や臼なども人が米を食べやすい形へ加工するために生み出してきた道具です。現在では家庭用・業務用の精米機なども使われるようになり米を搗く方法や環境は変化しています。
しかし玄米を精米すると、もう一つ大切なものが生まれます。それが米ぬかです。つまり玄米を精米することは単純に「玄米から白米を作る」というだけではありません。一粒の玄米を分けることによって白米として食べる部分と米ぬかとして利用できる部分が生まれます。そして、それぞれの先に別の食べ方や暮らしの知恵が広がっていきます。
現代では精米の程度を選び、三分づき・五分づき・七分づきなどとして食べる方法もあります。玄米の状態からどこまで精米するのかを選ぶことができるため「玄米か白米か」という二つだけではなく、その間の状態を楽しむこともできます。
一粒の玄米をそのまま食べるのか。それとも搗いて食べるのか。どの程度まで精米するのか。人が玄米に手を加えることで同じ米から異なる食べ方が生まれていきます。そして精米によって取り除かれた米ぬかも決して役割を終えたものではありません。人はそこにも新しい使い道を見つけ食べ物や暮らしの中で生かしてきました。
次の章では一粒の玄米から分かれた「米ぬか」に目を向け、そこからどのような文化が生まれていったのかを見ていきます。
米ぬかを生かす|玄米から生まれた暮らしの知恵
玄米を精米すると白米になる一方で取り除かれる部分が生まれます。その代表的なものが米ぬかです。米ぬかは玄米の表面にある糠層や胚芽などを削ることで生じるもので精米の副産物ともいえます。
しかし人は米ぬかを単に不要なものとして扱ってきたわけではありません。食べ物を保存したり料理に利用したりしながら暮らしの中でさまざまな役割を与えてきました。その代表が「ぬか床」です。米ぬかに塩や水などを加えてぬか床を作り、そこへ野菜を漬けることでぬか漬けができます。
大根・きゅうり・なす・かぶなど身近な野菜を漬け日々ぬか床を手入れしながら食べていく。ぬか漬けは料理であると同時に発酵や保存を暮らしの中に取り入れてきた食文化でもあります。
ぬか床には同じものを長く手入れしながら使えるという特徴もあります。材料を入れて完成する料理とは少し異なり混ぜる・野菜を漬ける・状態を確かめるという人の手入れが続いていきます。米を食べる文化の周囲に、こうした日々の営みも生まれてきました。
米ぬかは料理の下ごしらえにも使われています。例えば筍をゆでる際に米ぬかを使う方法があります。また米ぬかを利用した食品やぬかを原料とする製品など現在でもさまざまな活用が行われています。
玄米を搗く。白米と米ぬかに分かれる。その米ぬかからぬか床が作られる。そして野菜を漬ける文化へつながっていく。一粒の玄米だけを見ていると気づきにくいものの人の暮らしまで視野を広げると、そこからいくつものつながりが見えてきます。
米をできるだけ無駄にせず、それぞれの部分に使い道を見つけていく。そこには食材を生かすために積み重ねられてきた暮らしの知恵があります。玄米文化とは玄米ご飯を食べることだけではありません。一粒を分けた後にも、その先に新しい文化が続いているのです。
玄米を加工する|姿を変えて広がる食文化
玄米は茶碗によそったご飯として食べるだけではありません。砕く・挽く・炒る・膨らませるなど人がさまざまな加工を加えることで違った姿の食べ物になります。例えば玄米を粉にすれば玄米粉として利用できます。小麦粉などとは性質が異なる特徴があるためパンや菓子などに利用されることがあります。玄米を焙煎したものは玄米茶などに使われ香ばしい風味を楽しむ食文化につながっています。
さらに玄米を加工した菓子・パン・麺・フレークなども作られています。玄米をそのまま炊いた時とは食感も形も異なるため「玄米を食べる」という選択肢そのものが広がります。ここまでは玄米そのものを加工する文化です。
しかし一粒の玄米を出発点として考えると、その先にはさらに大きな米の加工文化が広がっています。玄米を精米すれば白米になります。その米を粉にすることで米粉が作られ水を加え丸めて蒸せばだなどへ姿を変えます。
また玄米に微生物の働きを利用することで米麹が作られ、そこから甘酒・味噌・日本酒などさまざまな発酵食品や醸造文化へつながります。玄米を原料とする酢や、煎餅・あられなどの米菓もあります。ただ原料は精米した米が使われる場合が多くあります。
文化編で注目したいのは玄米という一粒の米を出発点として精米・製粉・加熱・発酵など人が異なる技術を加えることで米の姿と用途が大きく枝分かれしていくことです。炊けばご飯になる。挽けば粉になる。炒れば香ばしさが生まれる。蒸して搗けば餅になる。丸めて蒸せば団子になる。微生物の働きを利用すれば発酵や醸造の世界へつながる。
同じ米でも人がどのように手を加えるかによって食べ方は大きく変わり、それぞれの加工に道具・技術・料理・食べ方が加わることで一粒の米から多彩な食文化が育ってきました。玄米を加工することは元の姿から離れていくことだけではありません。一粒の中にある可能性を人がさまざまな方法で引き出していくことでもあります。
そして現代になると玄米には、さらに別の変化が見られるようになります。姿を変えるだけではなく「自然なものを食べたい」「植物性の食事を選びたい」など新しい食の価値観と玄米が結びつくようになったことです。
次の章ではマクロビオティック・自然食・ヴィーガン・プラントベースなど現代の食文化の中で玄米がどのように捉えられているのかを見ていきます。
さてここで結わえる寝かせ玄米ごはんパックについてご興味がおありの方は下の緑色のボタンから公式サイトで詳しくご覧ください。
現代の食文化と玄米|新しい価値観と出会った玄米
玄米は昔から食べられてきた米ですが現代の食卓では以前とは少し違った意味でも選ばれるようになっています。単に精米していない米としてだけではなく自然食・マクロビオティック・オーガニック・ヴィーガン・プラントベースなど新しい食の考え方と結びついて語られることがあるからです。
その代表的なものの一つがマクロビオティックで穀物・野菜・豆類などを取り入れた食事が重視され玄米はその中でも代表的な穀物として扱われてきました。単に玄米を食べるだけではなく素材をできるだけ生かしながら食事全体を整えていく考え方の中で玄米が位置づけられていることも特徴です。
こうした食の考え方は日本だけにとどまらず海外にも伝わりマクロビオティックを通して玄米という食べ物を知る人もいます。昔からある玄米が新しい食の価値観と結びつくことで世界から注目を集めることがあります。
自然食という考え方の中でも玄米はよく登場します。精米によって糠層や胚芽を取り除いた白米とは異なり、それらを残した状態で食べられることから、できるだけ素材そのものを生かした食事を選びたいという考え方と結びついてきました。
現代ではオーガニックな食品を求める食文化とも結びついています。農産物がどのように育てられたのか考える人が増える中で背景にある生産方法や環境にも目を向けて食品を選ぶ文化の中で、そのような玄米が親しまれることがあります。
さらに現代ではヴィーガンやプラントベースの食事でもBrown Riceが使われています。ヴィーガンやプラントベースでは植物由来の食材を中心とする食事が意識されます。その中で穀物の一つとして栄養価の高いとされる玄米が選ばれることがあります。
またホールフードという考え方から精製をできるだけ抑えた穀物に目を向ける人もいます。食べ物をどの程度加工するのか、どのような食材を選ぶのかという現代の価値観の中で玄米が改めて見直されているともいえるでしょう。
玄米そのものの食べ方も変化しています。発芽させた発芽玄米・炊飯後に一定の方法で寝かせる玄米ご飯・電子レンジなどで温められる玄米のパックご飯・玄米を使ったパンや麺など現代の暮らしに合わせた選択肢が増えています。
昔からある玄米そのものが大きく変わったわけではありません。変わったのは玄米を見る人の側にある価値観や暮らしです。自然な食事を選びたい。植物性の食材を中心にしたい。精製の少ない穀物を取り入れたい。忙しい生活の中でも玄米を食べたいなど、さまざまな考え方や生活スタイルと出会うことで一粒の玄米には新しい意味や食べ方が加わっています。
世界へ広がる玄米文化|Brown Riceから世界の食卓を見る
ここまで日本の暮らしを中心に玄米文化を見てきましたが玄米に近い状態の米を食べる文化は日本だけに存在するものではありません。英語では一般に玄米を「Brown Rice」と呼びます。白米を意味するWhite Riceに対し糠層や胚芽などが残された米として区別されています。
さらに世界へ視野を広げると「whole grain」という捉え方もあります。小麦・オーツ麦・大麦などさまざまな穀物とともにBrown Riceも精製を抑えた穀物の一つとして扱われます。ここには日本の玄米文化との興味深い違いがあります。
日本では玄米を茶碗によそい味噌汁やおかずとともに「ご飯」として食べる姿を思い浮かべることが多いでしょう。一方、世界の料理では米を必ずしも日本と同じような一膳のご飯として食べるとは限りません。
野菜・豆・肉や魚などと一つの器に盛ったライスボウルにしたりサラダに加えたり、さまざまな料理の材料として利用したりすることもできます。Brown Rice Bowlのように玄米を土台として野菜・豆類などを組み合わせる食べ方はヴィーガンやプラントベースの料理とも組み合わせやすい形です。
アジアにもそれぞれの地域に米を食べてきた文化がありますが、それらを日本の「玄米文化」と同じものとして考えることはできません。栽培される米の種類・精米の程度・調理方法・料理との組み合わせなどは地域によって異なります。
大切なのは「日本の玄米食がそのまま世界へ広がった」と考えるのではなく、それぞれの地域にもともと存在する米文化と現代のBrown Riceやwhole grainを取り入れる食文化を分けて見ることです。同じ米でも文化が変われば食卓での役割も変わります。
茶碗によそえば一膳の玄米ご飯になる。おにぎりにすれば持ち運べる食事になる。野菜や豆と盛り合わせれば一つのボウル料理になる。別の地域へ行けば、その土地の調味料や食材と組み合わされる。人が暮らす土地・料理・価値観によって異なる食文化が生まれていきます。
世界からもう一度日本の食卓を眺めてみると普段何気なく手にしている茶碗や箸、玄米に合わせる味噌汁やおかずも数ある食べ方の一つであることに気づきます。同じ一粒の玄米でも人がどのように食べ、どのような意味を見いだすかによって文化は変わります。
そして今、私たちが玄米をどのように選び、炊き、食卓へ取り入れているのかも続いていく文化のプロセスです。
おすすめの玄米製品
結わえる 寝かせ玄米ごはんパック
玄米は一膳のご飯として食べるだけでなく、おにぎりにしたり加工食品にしたりしながら人の暮らしに合わせてさまざまな食べ方が生まれてきたことが分かります。現代でも玄米は新しい技術や生活スタイルと結びつきながら食卓へ取り入れやすい形へと広がっています。
その選択肢の一つが結わえるの「寝かせ玄米®ごはんパック」で国産玄米を圧力炊飯した後、独自製法で寝かせることでもちもちとした食感に仕上げられています。電子レンジや湯煎で温めるだけで食べられることも忙しい現代の暮らしに合わせた玄米の楽しみ方の一つです。
玄米から広がってきた食文化に触れながら今の暮らしだからこそ楽しめる玄米を実際の食卓でも味わってみたい方は下の緑色のボタンから公式サイトで詳しくご覧ください。
あとがき|一粒の玄米から文化は広がっていく
私たちが普段食べている玄米は田んぼで育った稲から生まれた一粒の米ですが人の暮らしに入った玄米は、ただ食べられるだけの存在ではありません。そこに人の手が加わることで道具が使われ、料理が生まれ、食べ方が工夫され、さまざまな暮らしの知恵へとつながっていきます。
例えば一膳のご飯を食べる時にも茶碗や箸があり一緒に食べる料理があり、それぞれの家庭の食卓があります。普段は当たり前に感じている光景も「なぜこのように食べているのだろう」と眺めてみると、その背景に人と米との長い関わりが見えてきます。
昔から受け継がれてきたものに新しい道具や技術が加わったり、食に対する考え方が変わったりすることで、今の暮らしの中でも少しずつ新しい文化が生まれています。玄米もまた人がどのように扱い、何を作り、どのような意味を見いだすのかによって、その周囲に広がる文化は変わっていきます。
いつもなら「食べ物」として見ている一粒の玄米を今回は少し違った角度から眺めてみましょう。そこには玄米そのものを学ぶだけでは見えてこなかった、人の工夫や暮らし、そして食を楽しんできた様子が見られます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。さらに玄米を学ぶ文明編にご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。
他にも玄米についてご興味がおありの方は下の関連記事もご覧ください。玄米についての疑問がおありの方は末尾のサイト内検索もご利用ください。それではよい玄米ライフをお送りくださいませ!





