玄米応用編

玄米でコレステロールや血圧は変わる?科学的研究と論文を解説

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ハク
ハク
こんにちはハクです!今回は玄米を食べるとコレステロールや血圧が変わるのか教えて?
ゲン
ゲン
はい!こんにちはゲンです。臨床研究やメタアナリシスを取り上げてコレステロールや血圧の数値がどうなるのか解説するよ!

玄米を食べることでコレステロールや血圧の数値にはどのような変化が現れるのでしょうか。玄米と白米を比較した臨床研究では総コレステロールやLDL・HDLコレステロールそして中性脂肪や収縮期・拡張期血圧などを測定し玄米を取り入れた食事との関係が調べられています。

また複数の研究結果を統合したメタアナリシスも発表されており個別研究だけでは見えにくい全体的な傾向についても検討されていますが研究によって結果が異なることもあり数値の変化が確認された場合でも、その大きさや確実性を区別して考えることが大切です。

このコンテンツでは玄米とコレステロール・血圧の関係について代表的な臨床研究とメタアナリシスを取り上げ白米との比較結果や平均差あるいは95%信頼区間などを分かりやすく解説します。研究で確かめられたことを一つひとつ確認しながら玄米と健康に関する科学的根拠を読み解いていきましょう。

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玄米とコレステロール・血圧はどのように研究されているのか

玄米は白米と比べて、ぬか層や胚芽が残されているため食物繊維やマグネシウムなどを多く含んでいます。こうした栄養成分の違いから玄米を食べることが血中コレステロールや血圧にどのような影響を与えるのかについて、さまざまな研究が行われてきました。

コレステロールと血圧は、どちらも健康状態を把握するために利用される指標ですが調べている内容は異なります。コレステロールに関する研究では血液中の総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロールなどを測定し玄米を取り入れた食事によって数値がどのように変化するのかを調べます。

一方、血圧に関する研究では収縮期血圧と拡張期血圧を測定し玄米を食べる前後や白米を食べた場合との違いを確認し一定期間にわたって玄米を食べるグループと白米を食べるグループを設け測定値を比較する方法などが用いられています。

ただ研究で得られる結果は必ずしも一致しておりません。ある研究では数値の変化が報告されても別の研究では明確な差が確認されない場合がありますので玄米とコレステロール・血圧の関係を理解するには数値が上がったか下がったかだけでなく、どのような人を対象に何を比較し、どの程度の期間調べた結果なのかを確認することが大切です。

また研究結果に統計的な差が認められた場合でも、その変化がどの程度の大きさなのか健康上どのような意味を持つのかは別の観点から考える必要があります。ここでは玄米を対象とした個別研究と複数の研究結果を統合したメタアナリシスを取り上げコレステロールと血圧について現在の研究から何が分かっているのかを順に読み解いていきます。

研究で使われるコレステロール・血圧の指標

玄米とコレステロール・血圧の関係を調べた研究を読むと総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪・収縮期血圧・拡張期血圧といった指標が登場します。これらは健康診断などでも利用される検査項目ですが、それぞれ測定している内容が異なり研究結果を理解するためには、どの指標にどのような変化が見られたのかを区別することが大切です。

ハク
ハク
コレステロールにはいくつかの種類があって血圧も上と下で別々に調べて、どの数値が変わったのかを見ることが大切なんだね!

コレステロールの研究で使われる指標

コレステロールは細胞膜やホルモンなどの材料となる脂質の一種で血液中ではリポたんぱく質によって運ばれています。研究では主に次の4つの指標が用いられます。

指標 測定・評価する内容
総コレステロール(TC) 血液中に含まれるコレステロールの総量
LDLコレステロール LDLに含まれるコレステロールの量。高値は動脈硬化性疾患のリスクと関係する
HDLコレステロール HDLに含まれるコレステロールの量。低値は動脈硬化性疾患のリスク評価に用いられる
中性脂肪(TG) 血液中のトリグリセリドの量。コレステロールとは異なる脂質

例えば玄米を食べたグループで総コレステロールが低下していてもLDLコレステロールやHDLコレステロールに同じような変化が見られるとは限りません。また研究ではこれらの数値をmg/dLという単位で示すことが多く玄米を食べる前後の変化や白米を食べたグループとの差を比較します。

血圧の研究で使われる指標

血圧は心臓から送り出された血液が血管の壁に及ぼす圧力を表します。研究では主に収縮期血圧と拡張期血圧の2つを測定します。

指標 測定する内容
収縮期血圧(SBP) 心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧
拡張期血圧(DBP) 心臓が拡張して血液を取り込むときの血圧

血圧の単位にはmmHgが用いられ研究では玄米を食べる前後の測定値や白米を食べたグループとの平均値の差などが示されます。例えば収縮期血圧に変化が見られても拡張期血圧には明確な差が認められない場合があります。そのため単に「血圧が下がった」という説明ではなく、どちらの血圧について報告された結果なのかを確認する必要があります。

研究結果では数値の変化と比較対象に注目する

これらの指標を理解したら次に確認したいのは研究で報告された数値が何を比較した結果なのかという点で玄米を食べた人の数値が研究開始時より低くなっていても白米を食べた人にも同程度の変化があれば玄米特有の影響とは判断できません。

またコレステロールや血圧の数値には個人差があるため研究で示される平均値の変化を、そのまま一人ひとりの変化として受け取ることもできませんので研究結果を読む際には、どの指標が何と比較して、どの程度変化したのかという3つの点を意識すると玄米とコレステロール・血圧の関係をより具体的に理解できるようになります。

玄米の摂取を調べた個別研究とその結果

玄米とコレステロール・血圧の関係については実際に玄米を食べてもらい血液検査や血圧測定によって変化を確かめる臨床研究が行われています。こうした研究では玄米を食べる前後の数値だけでなく白米を食べた場合との違いを比較することで玄米を取り入れた食事が健康指標にどのように関係しているのかを調べています。ここでは2014年と2017年に発表された2つの研究を取り上げ研究の方法や結果を具体的に確認していきます。

2014年 Kazemzadehらの研究|玄米と白米を食べ比べて血圧を調べる

2014年にKazemzadehらが発表した研究では過体重または肥満の閉経前女性40人を対象に玄米と白米を比較するランダム化クロスオーバー試験が行われました。研究では炊いた玄米または白米150gを含む食事をそれぞれ6週間取り入れ体重・腹囲・血圧・血中脂質・炎症に関する指標などを測定しています。

クロスオーバー試験とは同じ参加者が時期を分けて異なる食事条件を経験する研究方法で参加者自身を比較対象として利用できる特徴があります。その結果、玄米を取り入れた食事では白米を取り入れた食事と比較して拡張期血圧に統計的に有意な低下が報告されました。

一方、血中脂質については玄米と白米の間で統計的に有意な差は確認されませんでした。この研究から読み取れるのは同じ参加者を対象にした研究でも血圧とコレステロールでは異なる結果が得られる場合があるということです。また研究対象は過体重または肥満の閉経前女性であるた、得られた結果をすべての成人にそのまま当てはめることはできません。

2017年 横山らの研究|コレステロール値が高い人に注目した検討

2017年には日本の成人120人が参加し玄米の継続摂取と血中コレステロールの関係を調べた研究が報告されています。この研究では通常の玄米ではなく、あらかじめ加熱処理されたアルファ化玄米を使用し90日間の摂取期間を設けたクロスオーバー試験が行われました。

研究結果では開始時の総コレステロール値が221mg/dLを超えていた参加者において玄米摂取による総コレステロール値の低下が報告されています。また開始時のLDLコレステロール値が140mg/dLを超えていた参加者でもLDLコレステロール値の低下が認められました。

一方、開始時のHDLコレステロール値が40mg/dL未満だった参加者ではHDLコレステロール値に明確な変化は確認されませんでした。この研究で注目したいのは参加者の研究開始時の検査値によって観察された結果が異なっていることです。

コレステロール値が高い人に変化が見られたとしても、もともと数値が低い人や正常範囲にある人にも同じ変化が生じるとは限りませんしアルファ化玄米を使用した研究であるため一般的な玄米を家庭で炊いて食べた場合にも同じ結果が得られると判断することはできません。

個別研究の結果を比較する

2つの研究を整理すると次のようになります。

発表年・研究 研究対象・期間 主な評価指標 コレステロール・血圧に関する結果
2014年 Kazemzadehら 過体重・肥満の閉経前女性40人。各6週間 血圧・血中脂質 玄米食で拡張期血圧に有意な低下。血中脂質には有意差なし
2017年 横山ら 日本の成人120人が参加。90日間の摂取期間を含む 総コレステロール・LDL・HDL アルファ化玄米を使用。開始時の総コレステロール・LDLが高い参加者で低下を報告

この2つの研究では対象者の条件だけでなく使用された玄米の状態や測定された指標にも違いがあります。2014年の研究では玄米と白米の比較によって拡張期血圧の変化が確認され一方2017年の研究では開始時のコレステロール値が高い参加者における血中脂質の変化が注目されています。

このように個別研究の結果を読むときには数値が変化したかどうかだけでなく誰を対象に、どのような玄米を使い何を比較したのかを確認することが大切ですし同じような結果が別の研究でも得られているかを調べることで一つの研究だけでは判断しにくい玄米とコレステロール・血圧の関係を、より広い視点から理解できるようになります。

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メタアナリシスから見るコレステロール・血圧の研究結果

前章では玄米と白米を比較した個別研究を取り上げコレステロールや血圧にどのような変化が報告されているのかを確認しました。個別研究では対象者や測定する指標によって結果が異なる場合がありますので参考になるのが複数の研究結果を統計的に統合し全体としてどのような傾向があるのかを調べるメタアナリシスです。玄米とコレステロール・血圧の関係についても2021年と2022年にメタアナリシスが発表されています。

2021年の研究|7試験417人の結果を統合

2021年に発表されたメタアナリシスでは玄米と白米を比較した7つのランダム化比較試験合計417人のデータが分析された研究では血糖関連の指標に加え血中脂質や血圧についても検討されています。解析の結果HDLコレステロールでは玄米群に有利な差が報告された一方LDLコレステロールや収縮期血圧については統計的に有意な差は確認されませんでした。

ここで注目したいのは同じ研究の中でも測定する指標によって結果が異なっていることでHDLコレステロールに差が見られたからといって総コレステロールやLDLコレステロールあるいは血圧にも同様の変化が生じたとは判断できません。

2022年の研究|血中脂質の結果を詳しく検討

2022年には玄米の摂取と血中脂質の関係を調べたランダム化比較試験を統合したメタアナリシスが発表されています。この研究では通常の玄米と発芽玄米を区別した解析も行われました。通常の玄米については総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪の各指標で統計的に有意な改善は確認されませんでした。

一方、発芽玄米については一部の血中脂質指標で低下が報告されていますが発芽玄米と通常の玄米は加工状態が異なるため両者の結果を同じものとして扱うことはできませんし発芽玄米で報告された変化についても研究数や対象者そして摂取期間などを考慮して解釈する必要があります。

2022年の研究|血圧についての統合結果

別の2022年のメタアナリシスでは玄米と白米を比較した研究を統合し血圧への影響が検討されました。収縮期血圧については玄米群と白米群の平均差が約−3.73mmHgと報告されています。これは統合された研究の平均では玄米群の収縮期血圧が白米群より約3.73mmHg低かったことを示す数値です。

ただ研究間の異質性を表すI²は約76%と高く個別研究の結果には比較的大きなばらつきがありました。さらに統計解析の方法によって有意性が変わるため、この数値だけから玄米の摂取によって必ず血圧が下がると判断することはできません。

メタアナリシスの結果を比較する

発表年・研究 主な対象 コレステロール・血圧に関する結果
2021年 Abdul Rahimら 7試験・417人 HDLに有利な差。LDL・収縮期血圧には有意差なし
2022年 Golzarandら 玄米・発芽玄米の比較試験 通常の玄米では血中脂質の有意な改善なし。発芽玄米では一部に低下を報告
2022年 BMJ Open掲載研究 玄米と白米の比較試験 収縮期血圧の平均差は約−3.73mmHg。ただ研究間のばらつきが大きい

このようにメタアナリシスを比較すると玄米とコレステロール・血圧の関係について、すべての研究で一致した結果が得られているわけではないことが分かります。また複数のメタアナリシスに同じ個別研究が含まれている場合もあるため発表された論文の数を、そのまま独立した研究の数として数えることはできません。研究結果を理解するには統合された数値だけでなく、どのような研究が含まれ、どの指標について差が認められたのかを確認することが大切です。

研究で報告されたコレステロール・血圧の変化はどのくらいの大きさなのか

玄米とコレステロール・血圧の関係を調べた研究ではLDLコレステロールが何mg/dL変化したのか収縮期血圧が何mmHg変化したのかといった具体的な数値が報告されています。

ゲン
ゲン
研究では数値がどれだけ変わったかはもちろん、その差が偶然のばらつきで説明できるかも確かめるよ!

こうした数値を読むときに大切なのは変化があったかどうかだけでなく、その変化がどのくらいの大きさで、どの程度確かな結果なのかを理解することです。例えば収縮期血圧が3mmHg低かったという研究結果とLDLコレステロールが20mg/dL低かったという研究結果では測定しているものも単位も異なりますので数値の大小だけで効果の大きさを比較することはできません。

血圧の平均差−3.73mmHgは何を表しているのか

2022年にBMJ Openで発表されたメタアナリシスでは玄米群と白米群の収縮期血圧について平均差−3.73mmHgという結果が報告されています。この数値は統合された研究において玄米群の収縮期血圧が比較対象の白米群より平均3.73mmHg低かったことを表しています。

例えば白米群の収縮期血圧が130mmHgだったと仮定すると玄米群は126.27mmHgに相当する差ですが、これは平均差を理解するための仮想例であり実際の研究で測定された両群の平均値を示したものではありませんし研究で報告された平均差は玄米を食べた人全員の血圧が3.73mmHg下がったという意味でもありません。

95%信頼区間から結果の幅を読み取る

研究では平均差とともに95%信頼区間が示されることがあります。95%信頼区間とは研究データから推定した値にどの程度の統計的不確実性があるのかを表す範囲です。例えば収縮期血圧の平均差が−3.73mmHgで95%信頼区間が−7.04〜−0.41mmHgであれば推定値には幅があり実際の平均的な差がどの程度なのかには不確実性が残ることが分かります。平均差を評価するときは点推定値だけでなく信頼区間が0を含むかどうかや、その範囲がどの程度広いかも確認します。

コレステロールの変化も同じように読み取る

2022年のGolzarandらのメタアナリシスでは発芽玄米に関する解析で総コレステロール−24.22mg/dL・LDLコレステロール−20.05mg/dLという結果が報告されています。これらは血中脂質の変化を考えるうえで注目される数値ですが通常の玄米ではなく発芽玄米を対象とした解析結果である点が重要です。

さらに研究結果の確実性が低い場合には報告された数値をそのまま一般的な効果として受け取ることはできません。コレステロールの研究でも平均差・95%信頼区間・対象者・比較条件を併せて確認することで数値の意味をより正確に理解できます。

統計的に有意な差と健康上の意味は同じではない

研究結果を理解するうえで、もう一つ知っておきたいのが統計的に有意な差と健康上意味のある差の違いです。統計的に有意とは設定した統計モデルと有意水準のもとで差がないという仮説に対して一定の証拠が得られたことを意味します。

一方、健康上の意味を判断するには、その差がどの程度の大きさなのか対象者の健康状態や研究期間なども考慮する必要があります。例えば2022年の血圧に関するメタアナリシスではランダム効果モデルで統計的に有意な差が認められましたが固定効果モデルでは有意差が確認されませんでしたし研究間の異質性を示すI²は76.22%でした。このような場合には有意差があったという事実だけでなく解析方法によって結果が変わることも重要な情報になります。

研究結果の数値を整理する

評価指標 報告された平均差 95%信頼区間 読み取るポイント
収縮期血圧 −3.73mmHg −7.04〜−0.41 玄米群に有利な差。ただ解析方法によって有意性が異なる
総コレステロール(発芽玄米) −24.22mg/dL −33.03〜−15.41 発芽玄米の解析結果。研究間のばらつきが大きい
LDLコレステロール(発芽玄米) −20.05mg/dL −29.57〜−10.52 発芽玄米の解析結果。証拠の確実性に注意が必要

数値の出典は、2022年のYuらとGolzarandらのメタアナリシスです。

ここで紹介した平均差は玄米や発芽玄米を食べれば誰でも同じ数値だけ変化するという意味ではありません。研究結果を読むときには平均差の大きさ・95%信頼区間・研究間のばらつき・証拠の確実性を組み合わせて確認することで数値が持つ意味をより適切に理解できます。ここでは、このように研究結果を具体的な数値として捉えることで玄米とコレステロール・血圧の関係を単なる「効果がある・ない」という判断から一歩進めて考えることができます。

玄米とコレステロール・血圧の研究から何が分かり、どこまで言えるのか

玄米とコレステロール・血圧の関係については玄米と白米を比較した臨床試験や複数の研究結果を統合したメタアナリシスによって、さまざまな検討が行われてきました。これらの研究を通して玄米を取り入れた食事と血中脂質・血圧との関係について一定の知見が得られていますが、すべての研究で同じ結果が示されているわけではありません。ここでは、これまで紹介した研究を踏まえ現在の科学的根拠からどのようなことが分かり、どこまで判断できるのかを整理します。

コレステロールについて分かっていること

玄米とコレステロールの関係については総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪などを指標とした研究が行われています。2021年のメタアナリシスでは玄米群でHDLコレステロールに有利な差が報告された一方LDLコレステロールについては統計的に有意な差が確認されませんでした。

また2022年のメタアナリシスでは通常の玄米について血中脂質の明確な改善は確認されませんでしたが発芽玄米では一部の指標で低下が報告されています。これらの結果から玄米の種類や評価する指標によって研究結果が異なることが分かりますが現時点では通常の玄米を食べることで誰でもコレステロール値が改善すると判断できるほど一貫した研究結果が得られているわけではありません。

血圧について分かっていること

血圧に関する研究では収縮期血圧と拡張期血圧を分けて評価することが重要で2022年のメタアナリシスでは玄米群の収縮期血圧が白米群より平均3.73mmHg低いという結果が報告されましたが研究間のばらつきが比較的大きく統計解析の方法によって有意性が異なっていました。

また2021年のメタアナリシスでは収縮期血圧について統計的に有意な差は確認されていませんので玄米の摂取が血圧に影響する可能性は研究されていますが現在の結果だけで、玄米に一定の降圧効果があると結論づけることはできません。

現時点の研究から判断できる範囲

玄米とコレステロール・血圧の関係について、研究結果を整理すると次のようになります。

研究で検討されていること 現時点での理解
総コレステロール 通常の玄米では一貫した低下が確認されていない
LDLコレステロール 通常の玄米では明確な改善が確認されていない
HDLコレステロール 一部のメタアナリシスで有利な差が報告されている
中性脂肪 通常の玄米では明確な改善が確認されていない
収縮期血圧 一部の統合研究で低下が報告されたが結果には不確実性がある
拡張期血圧 一貫した低下を示す十分な根拠は確認されていない
発芽玄米 一部の血中脂質指標で低下が報告されているが証拠の確実性には限界がある

この表からも分かるように玄米とコレステロール・血圧の関係は単純に効果があるかないかだけで判断できるものではありません。

これからの研究で明らかにしたいこと

今後は玄米の種類や摂取量そして摂取期間をそろえた研究に加えコレステロール値や血圧が高い人と健康な人とを分けた検討も重要になると考えられていて研究期間中の食事内容や身体活動などを適切に管理することで玄米を取り入れたことによる変化を、より明確に評価できる可能性があります。

玄米は日常的な主食の一つですが研究結果を健康に関する情報として利用するときには食事全体の内容や生活習慣との関係も考慮する必要があります。科学的根拠を読み解くうえで大切なのは玄米の効果を肯定することでも否定することでもなく研究によって確かめられた事実と、まだ十分に明らかになっていないことを区別することです。

そうした視点を持つことで玄米とコレステロール・血圧の研究を、より正確に理解できるようになります。

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あとがき|コレステロールという名前の由来

コレステロールという言葉には意外な歴史があり、その名前はギリシャ語で胆汁を意味する「chole」と固体を意味する「stereos」に由来するとされていてコレステロールが胆石から見いだされた歴史と関係しています。現在では健康診断の数値として身近な存在ですがコレステロールはもともと体の細胞膜を構成しホルモンや胆汁酸などをつくる材料にもなる大切な物質です。

一方、血圧を測る習慣にも興味深い歴史があり現在のように腕に帯を巻いて血圧を測る方法が普及する以前には血圧を調べること自体が容易ではありませんでした。19世紀末に腕に巻くカフを利用した血圧計が考案され、その後、聴診器で血管の音を聞く測定法が発展していきました。

今では家庭でも手軽に確認できるコレステロールや血圧の数値ですが、その背景には長い研究と測定技術の進歩があります。玄米について調べることをきっかけに普段何気なく目にしている健康診断の項目にも関心を向けてみると体の仕組みや健康を支える科学の世界が、少し身近に感じられるのではないでしょうか。

ここまでお読みくださりありがとうございます。さらに玄米と抗酸化についてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。

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