玄米について調べていると「食物繊維が豊富」「腸や便通によい」といった説明を目にすることがありますが玄米を食べたあと、その食物繊維が身体のどこへ進み便とどのように関わっているのかまで考える機会はあまりないかもしれません。
私たちが食べた玄米は胃や小腸を通りながら消化・吸収されます。一方で食物繊維の一部は消化されずに大腸まで届き便の形成や腸内細菌と関わります。では食物繊維が大腸まで届くと何が起こるのでしょうか。また玄米を食べて便が増えたり排便したりすることを「デトックス」と考えてよいのでしょうか。
今回は一膳の玄米を食べたところから身体の中をたどりながら食物繊維・消化・大腸・腸内細菌・便形成・排便までのつながりを見ていきます。「玄米は腸によい」という言葉だけでは見えてこない身体の仕組みを一つずつ学んでいきましょう。
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玄米を食べると腸では何が起こる?
玄米と腸や便通の関係について考えると「玄米には食物繊維が多いからお腹によい」という説明を目にすることがありますが玄米を食べたからといって食物繊維がすぐに便へ変わるわけではありません。一膳の玄米を口にしてから身体の外へ排出されるまでには胃・小腸・大腸など消化管のさまざまな働きが関わっています。
玄米は口から入って消化管を進んでいく
玄米を食べると、まず口の中で噛み砕かれ唾液と混ざります。その後は食道を通って胃へ送られ胃でさらに細かくなりながら小腸へ進んでいきます。小腸では食べ物に含まれる成分の消化・吸収が進みます。玄米に含まれるでんぷんなども消化酵素によって分解され身体に取り込まれていきます。
一方で玄米に含まれているすべての成分が同じように消化・吸収されるわけではありません。その代表的なものが食物繊維です。食物繊維は人の消化酵素では消化されにくいため小腸で消化・吸収されずに大腸まで届きます。玄米と腸や便通との関係を理解するためには、この「大腸まで届く」という特徴が大切なポイントになります。
食物繊維はなぜ大腸まで届く?
私たちが食事からとるたんぱく質・脂質・炭水化物などの多くは消化管を進みながら消化され小腸などから身体へ吸収されていきます。これに対して食物繊維は人の消化酵素では消化することのできない食品中の成分です。そのため小腸を通過して大腸へ届き便の形成や腸内細菌との関わりが生まれます。
ただ「食物繊維が大腸へ届く=便秘が解消する」と単純に考えることはできません。便通には食事の内容だけでなく水分・食事量・身体活動・生活リズムなどさまざまな要素が関係しているためです。ここではまず玄米に含まれる食物繊維には身体へ吸収される栄養素とは異なる道を進むものがあることを押さえておきましょう。
玄米から便までを一本の流れで考えてみよう
玄米と便通について理解するときは「玄米を食べた」「便が出た」という入口と出口だけを見るのではなく、その間にある身体の働きを見ていくことが大切です。玄米を食べる→胃や小腸で消化が進む→食物繊維が大腸へ届く→便の形成や腸内細菌と関わる→便がつくられる→排便によって身体の外へ出る。
このように見ていくと「玄米でデトックス」という言葉だけでは見えにくかった身体の仕組みが少しずつ分かってきます。では、そもそも玄米のどこに食物繊維が含まれているのでしょうか。一粒の玄米の構造から見ていきましょう。
玄米の食物繊維はどこに含まれている?
玄米と白米はどちらも同じ稲からとれるお米ですが食物繊維の含有量には違いがあります。その理由を理解する手がかりになるのが一粒のお米の構造です。玄米は単純な一つの粒ではなく外側から内側へ異なる部分が重なっています。
一粒の玄米はどのような構造になっている?
収穫された稲から籾殻を取り除いたものが玄米で玄米の粒には糠層・胚芽・胚乳などがあり私たちが普段食べている一粒の中にもそれぞれ異なる役割をもった部分があります。玄米の大部分を占めているのが胚乳で、その外側には糠層があり胚芽も残されています。食物繊維はこうした玄米の外側の部分などに含まれています。
玄米について調べると「糠層や胚芽には栄養がある」と紹介されることがありますが、ここで重要なのは栄養素を一つずつ覚えることではありません。玄米では外側の部分が残されているという特徴が白米との食物繊維量の違いにつながっています。
玄米と白米では何が違う?
玄米を精米すると表面の糠層や胚芽などが取り除かれ主に胚乳部分が残った白米になります。そのため玄米と白米では食物繊維の含有量にも違いが生まれます。文部科学省の日本食品標準成分表では炊いた水稲玄米100gに含まれる食物繊維総量は1.4gで炊いた精白米100gでは食物繊維総量は0.3gとされています。
つまり玄米は白米より食物繊維を多く含んでいます。ただ、この数字だけを見て「玄米を食べれば便通がよくなる」と判断することはできません。実際の食物繊維摂取量は食べる量や一緒に食べる野菜・豆類・海藻類などによっても変わります。玄米と白米では精米によって残される部分が異なり、それが食物繊維量の違いにつながっているということです。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
食物繊維についてもう少し詳しく見ていくと大きく水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けて説明されることがあります。水溶性食物繊維は水に溶ける性質をもつ食物繊維で不溶性食物繊維は水に溶けにくい性質をもっています。玄米には両方が含まれていますが炊いた玄米では不溶性食物繊維の割合が多くなっています。
ここで「不溶性食物繊維だから便秘によい」「水溶性食物繊維だから腸内環境によい」と単純に分けてしまわないことも大切です。食物繊維には種類によって性質の違いがあり大腸でどの程度発酵されるのかなども一様ではありません。また実際の便通は一つの食品や一種類の食物繊維だけによって決まるものではありません。
玄米と腸の関係を理解するうえで大切なのは「食物繊維が多い食品だから身体によい」と結論づけることではなく玄米に含まれる食物繊維が食べたあと身体のどこへ進み、そこで何と関わるのかを知ることです。次は玄米に含まれる食物繊維が、なぜ胃や小腸を通って大腸まで届くのか。その仕組みをもう少し詳しく見ていきましょう。
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玄米の食物繊維はなぜ大腸まで届く?
玄米に含まれる食物繊維は胃や小腸を通り、その一部は大腸まで届きますが同じ玄米に含まれるでんぷんなどは消化され身体へ吸収されていきます。同じ一粒の玄米を食べているのに、なぜ身体の中で進む道が分かれるのでしょうか。その違いを知るために、まずはご飯を食べたあとに行われる消化・吸収の仕組みから見ていきましょう。
ご飯の炭水化物は身体の中でどうなる?
玄米にはさまざまな成分が含まれていますが、その多くを占めているのが炭水化物で炭水化物のうち、でんぷんはそのままの形で身体に取り込まれるわけではありません。玄米を口にすると噛むことで細かくなり唾液と混ざります。
その後は食道から胃へ送られ、さらに小腸へ進みます。消化の過程では消化酵素の働きによって、でんぷんが最終的にブドウ糖まで分解されます。ブドウ糖は主に小腸から吸収され血液を通して身体のさまざまな組織へ運ばれてエネルギー源などとして利用されます。
つまり玄米を食べると一粒がそのまま身体の中を最後まで進むのではなく消化できる成分は分解されながら身体へ取り込まれていきます。一方で同じ玄米に含まれていても、この消化の仕組みでは分解されにくいものがあります。それが食物繊維です。
食物繊維は消化・吸収されにくい
食物繊維は一般に人の消化酵素では消化されにくい食品中の成分です。でんぷんが消化酵素によって分解され小腸から吸収されていくのに対して食物繊維の多くは小腸までの過程で消化・吸収されず、その先にある大腸へ進みます。
身体の中の流れを簡単にたどると玄米を食べる→胃を通る→小腸で消化・吸収が進む→消化されにくい食物繊維が大腸へ進むとなります。「玄米の食物繊維が腸に届く」という表現を見かけることがありますが腸には小腸と大腸があります。
便形成や腸内細菌との関係を考える場合に特に重要になるのは、その食物繊維が小腸を通過して大腸へ届くことです。このように消化されにくいという食物繊維の性質が玄米と便や腸内細菌との関係を考える入口になります。
大腸まで届いた食物繊維はどうなる?
大腸へ到達した食物繊維がすべて同じ働きをするわけではありません。食物繊維にはさまざまな種類があり大腸で腸内細菌によって利用されやすいものもあれば比較的分解されにくいまま便の構成成分となるものもあります。
そのため「食物繊維が大腸まで届く」という一つの現象から、さらに二つの方向を見ることができます。一つは便の形成との関係で、もう一つは腸内細菌との関係です。玄米を食べてから大腸へ届くまでの流れが分かると「玄米には食物繊維があるから腸によい」という漠然とした説明ではなく身体のどこで何が起こっているのかを順番に考えられるようになります。では大腸まで届いた食物繊維は実際の便とどのように関係しているのでしょうか。
玄米の食物繊維は便とどう関係する?
玄米に含まれる食物繊維の一部が大腸まで届くことが分かると次に気になるのが便との関係です。食物繊維について「便のかさを増やす」と説明されることがありますが私たちが排出している便は単純に消化されなかった食べ物だけを集めたものではありません。玄米と便通の関係を理解するために、まず便そのものがどのようにつくられるのかを見てみましょう。
便は何からできている?
食べ物は消化管を進みながら消化・吸収され小腸を通過した内容物が大腸へ送られます。大腸では内容物から水分や電解質などが吸収されながら便が形づくられていきます。便には水分のほか消化されなかった食物成分・腸内細菌やその構成物・腸管から脱落した細胞など、さまざまなものが含まれています。
つまり「食べた玄米の残りがそのまま便になる」と考えるのは正確ではありません。食べ物が消化・吸収されたあとに残ったものが大腸へ届き水分の吸収などさまざまな過程を経ながら便が形成されていきます。玄米に含まれる食物繊維も、その過程に関わる食品成分の一つです。
食物繊維と便のかさはどう関係する?
食物繊維の中でも水に溶けにくく大腸で比較的分解されにくいものは便の構成成分となり便のかさに関係します。また食物繊維の種類によっては水分を保持したり腸内細菌に利用された結果として菌体量などを通じて便量に関係したりするものもあります。
そのため食物繊維の摂取量を増やすことと排便量や排便回数などとの関係が研究されています。ただ食物繊維ならどれでも同じように便量を増やすわけではありません。水への溶けやすさ・粘性・発酵されやすさなどによって性質は異なります。
さらに排便は「便のかさ」だけで決まるものでもありません。大腸の中を内容物が進む消化管通過時間や便に含まれる水分など、いくつもの条件が関係しています。そのため玄米と便通について考える場合も「食物繊維が入っているから便が出る」という一方向の説明ではなく食物繊維が便形成に関わる複数の要素の一つであると考えることが大切です。
玄米を食べれば便秘が解消するとは限らない
ここまで見てくると「それなら玄米を食べれば便秘を解消できるのでは?」と思うかもしれませんが玄米を食べることだけで便秘が解消すると考えることはできません。便通には食物繊維だけでなく食事全体の量や内容・水分摂取・身体活動・生活リズムなどさまざまな要素が関係しています。
また便秘にはいくつかのタイプや原因があり消化管の状態や服用している薬などが関係している場合もあります。食物繊維についても多ければ多いほどよいというものではありません。急に摂取量を増やすことで、お腹の張りなどを感じる場合もあります。
したがって玄米と便通の関係は玄米を食べる→食物繊維の一部が大腸へ届く→便の形成に関わる→排便に関係する可能性があるという身体の仕組みとして捉えるのがよいでしょう。そして大腸まで届いた食物繊維には便の形成とは別の関わり方もあります。
私たちの大腸には多くの腸内細菌が存在しており食物繊維の一部はこれらの腸内細菌によって利用されます。玄米・食物繊維・腸という三つの関係をさらに理解するため次は大腸の中で暮らしている腸内細菌に目を向けてみましょう。
玄米の食物繊維と腸内細菌はどう関係する?
大腸まで届いた食物繊維は便の形成に関わるだけではありません。食物繊維の種類によっては大腸に存在する腸内細菌に利用されるものもあります。「玄米は腸内環境によい」と説明されることがありますが、その言葉だけでは身体の中で何が起きているのかは分かりません。玄米・食物繊維・腸内細菌の関係をもう少し具体的に見ていきましょう。
大腸には多くの腸内細菌がいる
私たちの消化管には多くの細菌が存在しており特に大腸にはさまざまな種類の腸内細菌が生息しています。それぞれが独立して存在しているのではなく多様な細菌が集まり腸内細菌叢と呼ばれる集団をつくっています。腸内細菌は私たちが食べたものとも無関係ではありません。
食べ物に含まれる成分の多くは胃や小腸で消化・吸収されますが、その過程で消化されずに大腸まで届く成分があります。腸内細菌の中には、それらを利用しているものもいます。ここで食物繊維が登場します。食物繊維は人の消化酵素では消化されにくいため大腸まで届きます。そして大腸へ届いた食物繊維の一部は腸内細菌の働きによって分解・発酵されます。
つまり玄米と腸内細菌は直接結びついているというより玄米を食べる→食物繊維の一部が大腸まで届く→腸内細菌が利用するという流れの中で関係していると考えると分かりやすくなります。
食物繊維の一部は腸内細菌に利用される
食物繊維にはさまざまな種類があり大腸での発酵されやすさにも違いがあります。大腸まで届いた食物繊維のうち発酵されやすいものは腸内細菌によって利用されます。この過程を発酵と呼びます。ここで注意したいのは食物繊維がすべて同じように発酵されるわけではないことです。
水への溶けやすさだけでなく食物繊維の化学的な構造などによっても発酵されやすさは異なります。大腸で比較的分解されにくく便の構成成分となるものもあれば腸内細菌によって利用されやすいものもあります。
そのため「玄米の食物繊維=腸内細菌のエサ」と一括りにするよりも玄米に含まれる食物繊維の一部が大腸まで届き、その一部が腸内細菌によって利用されると考えるほうが正確です。そして腸内細菌が食物繊維などを発酵すると、さまざまな物質がつくられます。その代表的なものが短鎖脂肪酸です。
腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸とは?
短鎖脂肪酸とは腸内細菌による発酵などによってつくられる有機酸のことで代表的なものに酢酸・プロピオン酸・酪酸があります。これらはすべて同じ役割をもっているわけではありません。例えば酪酸は大腸の上皮細胞のエネルギー源として利用されます。また短鎖脂肪酸の一部は大腸から吸収され身体の中で利用されます。
ただ「玄米を食べる→短鎖脂肪酸が増える→健康になる」という単純な一本道として考えることには注意が必要です。腸内細菌叢の構成には個人差があり普段の食事や生活などさまざまな要素が関係しています。また食物繊維も種類によって腸内細菌による利用のされ方が異なります。
ここで知っておきたいのは私たち自身では消化しにくい食物繊維の一部が大腸まで届くことで、そこで暮らす腸内細菌との新しい関係が生まれるということです。
「腸内環境を整える」という言葉をどう考える?
食品について調べていると「腸内環境を整える」という表現をよく目にしますが腸内環境とは一つの数値で表せるものではありません。腸内細菌叢の構成・細菌がつくる代謝物・腸管の状態・便の状態など腸の中ではさまざまな要素が関係しています。
また「善玉菌が多ければよい」「悪玉菌を減らせばよい」といった単純な二つのグループだけで腸内細菌全体を捉えることも難しくなっています。そのため玄米についても「食べれば腸内環境が整う」と断定するのではなく玄米に含まれる食物繊維の一部が大腸まで届く→その一部が腸内細菌に利用される→発酵によって短鎖脂肪酸などがつくられるという身体の中で説明できる仕組みを一つずつ見ていくことが大切です。
そして大腸で形成された便は最終的に身体の外へ排出されます。ここまで来ると「玄米を食べて便が出るのであれば、それをデトックスと呼んでもよいのでは?」という新しい疑問が生まれます。
便が出ることを「デトックス」と呼んでよい?
玄米とデトックスについて調べていると「玄米の食物繊維によって便が出る」「身体にたまったものを排出できる」といった説明を目にすることがあります。ここまで見てきたように玄米に含まれる食物繊維の一部は大腸まで届き便の形成や腸内細菌と関わり、つくられた便は排便によって身体の外へ出ていきます。では、この一連の働きをそのまま「玄米によるデトックス」と考えてよいのでしょうか。
排便は身体の大切な排出経路の一つ
私たちは食べたものをすべて身体へ取り込んでいるわけではありません。食べ物は消化管を進みながら消化・吸収され、利用されなかったものや消化されにくかったものなどは便の構成成分となります。そのほかにも便には腸内細菌や腸管から脱落した細胞などが含まれています。
こうして形成された便を身体の外へ出す排便は人の身体にもともと備わっている排出の仕組みの一つです。玄米についても玄米を食べる→消化・吸収が進む→食物繊維の一部が大腸へ届く→便の形成や腸内細菌と関わる→排便するという流れであれば身体の仕組みとして説明することができます。
しかし「排便」と「デトックス」という言葉を同じ意味として扱う場合には注意が必要です。
便が増えた=毒素が出た?
例えば玄米を食べ始めたあとに以前より便の量が増えたとします。その変化には食物繊維の摂取量や食事全体の量・水分などが関係している可能性がありますが便が増えたという事実だけから「身体にたまっていた毒素が排出された」と判断することはできません。
そもそも「毒素」という言葉が何を指しているのかを明確にする必要があります。特定の物質を指しているのであれば、その物質が身体のどこに存在し、どのように代謝され、どの経路から排泄されるのかを確認する必要があります。
「なんとなく身体にたまっている悪いもの」という意味で毒素という言葉を使ってしまうと科学的に確かめることが難しくなります。同じように「宿便が出た」という表現についても一般的なイメージと医学的に説明される便の状態を分けて考える必要があります。
玄米を食べたあとに便の量や排便回数が変化したとしても、それだけを「毒素が出た証拠」と考えないことが大切です。
身体には便以外にも排出の仕組みがある
身体から不要なものを外へ出す仕組みは排便だけではありません。例えば肝臓は身体の中に入ったさまざまな物質の代謝に関わっています。腎臓は血液をろ過し身体に必要なものを調整しながら不要な代謝産物などを尿として排泄する働きを担っています。
消化管では食べ物の消化・吸収が行われ吸収されなかった成分などが便として排出されます。このように身体の中では複数の臓器や仕組みがそれぞれの役割を担っています。そのため「玄米の食物繊維が便に関係する」という話と「身体のあらゆる不要物を玄米が取り除く」という話は分けて考える必要があります。
玄米を特別なデトックス食品として考える前に、まず人の身体そのものに代謝・排泄の仕組みが備わっていることを知ることが大切です。
科学的に説明できるところまで考えよう
「玄米でデトックス」という言葉について考えるとき、すべてを正しいか間違いかの二つに分ける必要はありません。玄米について科学的な仕組みとして説明できることがあります。玄米には食物繊維が含まれている。その食物繊維の一部は小腸で消化・吸収されず大腸まで届く。大腸では便の形成に関わり、一部は腸内細菌によって利用される。そして便は排便によって身体の外へ排出される。
ここまでは「玄米・腸・便通」のつながりとして考えることができます。一方で「玄米が身体にたまった毒素を吸着して排出する」「玄米を食べると宿便が取れる」「便の量が増えたからデトックスできた」といった説明については、それぞれ何を意味しているのか、どのような根拠があるのかを別に確かめる必要があります。
「デトックス」という一つの言葉だけで身体の複雑な働きを説明しようとするのではなく消化・吸収・腸内細菌・便形成・排便という実際の身体の仕組みに置き換えて考えてみる。そうすることで玄米とデトックスの関係も、できることとまだ分からないことを分けながら見つめられるようになります。
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あとがき
玄米と腸や便通について考えていくと一膳のご飯を食べるという何気ない行為の向こう側で私たちの身体がさまざまな働きをしていることが見えてきます。玄米に含まれる成分のすべてが身体へ吸収されるわけではありません。消化されにくい食物繊維の一部は大腸まで届き便の形成に関わったり腸内細菌に利用されたりしながら消化管の中を進んでいきます。
そして必要なものを取り入れたあとに残ったものなどは便として身体の外へ排出されます。普段は一つひとつ意識することのない働きですが身体には食べ物を消化・吸収し利用しながら不要になったものなどを外へ出していく仕組みがもともと備わっています。
だからこそ「玄米でデトックス」という言葉に出会ったときも、すぐに信じたり否定したりするのではなく「身体のどこで何が起きているのだろう」と考えてみることが大切なのかもしれません。一膳の玄米を味わいながら、その先にある胃や小腸そして大腸の働きまで想像してみる。いつもの食事から自分の身体について少し深く知っていくことも玄米を学ぶ一つの楽しみ方ではないでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございます。さらに玄米デトックスのやり方についてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。
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