玄米基礎編

玄米を冷凍してから冷蔵する虫対策となる保存方法について解説

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ハク
ハク
こんにちはハクです!今回は玄米の虫対策として一度冷凍してから冷蔵保存する方法を教えて?
ゲン
ゲン
はい!こんにちはゲンです。玄米を冷凍するときの考え方と虫対策・冷凍後の保存温度・結露を防ぐ方法まで解説していくよ。

玄米を保存していたらコクゾウムシなどの虫が発生し「次に購入するときは一度冷凍してから冷蔵保存した方がよいのはなぜ?」玄米の保存方法を調べると「15℃以下で保存する」「−18℃で冷凍する」「冷凍後は冷蔵する」など、さまざまな情報が見つかりますが冷蔵によって虫が活動しにくい環境をつくることと冷凍によって害虫へ低温の影響を与えることは分けて考える必要があります。

さらに一度冷凍した玄米を冷蔵庫へ移す場合に「0~5℃で良いのか」「冷凍庫から出したときに結露しないのか」「新米の味や風味は変わらないのか」といった疑問も出てきます。ここでは玄米を虫対策として一度冷凍し、その後冷蔵保存する方法についてコクゾウムシと低温の関係・−18℃や72時間という条件の考え方・冷凍による品質への影響・0~5℃での保存・結露を防ぐための小分けや密封まで順番に見ていきます。

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玄米は冷凍してから冷蔵保存する?

玄米を購入したあと「虫対策として一度冷凍して、その後は冷蔵庫で保存」される方がおられます。特にまとまった量の玄米を購入すると、すぐに食べ切れませんので気温が高くなる季節にはコクゾウムシなどの害虫も気になり、できるだけ良い状態で保存したいところです。

玄米は低温で保存することができます。そのため家庭で玄米を一度冷凍し、その後は冷蔵環境へ移して保存するという方法もありますが「冷凍すれば虫の心配がなくなる」「冷凍した玄米はそのまま冷蔵庫へ移せばよい」と考えがちですが冷凍する目的とその後の保存方法を分けて考えることも大切です。

冷凍と冷蔵では目的が少し違う

玄米を低温で保存する方法として、まず知っておきたいのが冷蔵保存です。農林水産省では米につく害虫について15℃以下では活動が鈍くなり増殖できなくなるとしており家庭では密閉できる容器に入れて冷蔵庫の野菜室などで保存する方法を紹介しています。

冷蔵保存には玄米を低温環境に置くことで虫が活動・増殖しにくい状態を保つという意味がありますが「一度冷凍してから冷蔵する」という方法では購入した玄米に虫や卵などが存在する可能性を考え、さらに低い温度へ一定時間置いてから保存するという考え方が加わります。

そのため冷凍=低温処理・冷蔵=その後の低温保存というように二つの段階に分けて考えると分かりやすくなります。

「何℃ならよいか」だけで考えない

玄米を保存するときは温度が重要ですが温度だけを見ていればよいわけではありません。たとえば冷凍庫から取り出した玄米は周囲との温度差が大きくなります。冷えた玄米や容器が暖かくなれば条件によっては結露が起こる可能性があります。

また一つの大きな袋を何度も冷蔵庫から出し入れすれば、そのたびに玄米の温度も変化します。そのため家庭で冷凍から冷蔵へ移す方法を考えるときは、どのくらいの量に分けるか・どのような容器で密封するか・冷凍庫から冷蔵庫へどう移すか・冷蔵後はどのくらいの温度で保存するか・必要な玄米をどのように取り出すかまでを一つの流れとして考える必要があります。

確認しておきたいこと

「玄米を冷凍してから冷蔵する」と聞くと方法は単純に見えますが実際にはいくつもの疑問があります。

気になること 確認したいポイント
玄米は冷凍できる? 冷凍による風味や品質への影響
虫対策になる? コクゾウムシなどと低温の関係
−18℃・72時間でよい? 温度・時間・玄米の量などの条件
冷凍後はどうする? 冷凍庫から冷蔵庫へ移す方法
0~5℃でもよい? 冷蔵保存するときの温度
結露は大丈夫? 密封・小分け・温度差への注意

ここでは購入した玄米を冷凍し、その後冷蔵して食べるまでを一つの保存方法として順番に見ていきます。

なぜ玄米に虫が発生する?コクゾウムシと保存温度

玄米を保存していて小さな虫を見つけると「密閉していたのに、どこから入ったのだろう」と不思議に感じることがあります。米に発生する代表的な害虫の一つがコクゾウムシで、なぜ玄米の保存で温度管理が大切なのか、そしてなぜ「冷凍してから冷蔵する」ことに意味があるのかも見えてきます。

コクゾウムシは穀粒の中でも育つ

農研機構によるとコクゾウムシの雌成虫は米などの穀粒に穴をあけて産卵し幼虫は穀粒の内部を食べながら成長します。やがて穀粒の中で蛹になり成虫になると米粒に穴をあけて外へ出てきます。そのため玄米の表面を見ただけでは虫の存在を確認しにくい場合があります。「保存容器の中で突然虫が発生したように見える」という現象を考えるときにも、こうしたコクゾウムシの生態を知っておくことが一つの手掛かりになります。

玄米から自然に虫が生まれるわけではない

もともと米に害虫が存在していた場合だけでなく保存中に周囲から侵入する場合も考えられますので家庭で玄米を保存するときは「虫が見えるかどうか」だけではなく虫が侵入しにくく活動・増殖しにくい環境をつくることが重要になります。

玄米保存で「15℃以下」がよく出てくる理由

玄米や米の保存方法を調べていると「15℃以下」という温度を目にすることがあります。農林水産省では米につく害虫について15℃以下では活動が鈍くなり増殖できなくなると説明しています。ここで注意したいのは15℃以下にすれば存在している虫や卵がすべていなくなるわけではありませんが低温によって活動や増殖を抑えながら保存することが推奨されています。

保存方法 温度の見方 主な目的 家庭での扱い方 注意したいこと
冷蔵保存 15℃以下を一つの目安として考える 害虫が活動・増殖しにくい低温環境を保ちながら玄米を保存する 密閉できる袋や容器に入れ、冷蔵庫や野菜室など温度が安定した場所で保存する 15℃以下は害虫をすべて死滅させる温度という意味ではない。出し入れによる温度変化にも注意する
冷凍 家庭用冷凍庫では−18℃程度が一つの例 冷蔵よりさらに低い温度に置き玄米に存在する可能性のある害虫への低温処理を考える 玄米を扱いやすい量に小分けして密封し冷凍庫へ入れる 冷凍庫が−18℃でも玄米全体がすぐ同じ温度になるわけではない。量・冷凍時間・害虫の発育段階なども関係するため「−18℃・72時間なら完全殺虫」と一律に断定しない
冷凍後の冷蔵 0~5℃程度など冷蔵庫内の低温環境 冷凍した玄米を常温へ戻さず、引き続き低温環境で保存する 冷凍庫から取り出したら袋を開けず、密封した状態のまま冷蔵庫へ移す。使用するときは必要な小分け分だけ取り出す 冷たい玄米を暖かく湿った空気へ触れさせると結露する可能性がある。常温放置や大袋の頻繁な出し入れを避ける

冷蔵だけではなく冷凍が気になる理由

玄米を15℃以下で保存すれば虫が活動しにくいので通常の保存という意味では低温・密封という考え方が基本になりますが購入時点ですでに虫や卵が存在する可能性まで考えると「保存を始める前に一度冷凍して虫を処理しては?」という発想が出てきます。

そこで次に「家庭用冷凍庫の−18℃程度で冷凍すればコクゾウムシ対策になるのか」そして「どれくらいの期間冷凍すれば十分なのか」という疑問が現れます。ネット上では具体的な温度や時間が示されることがありますが数字だけを取り出して「この条件なら必ず大丈夫」と考えることには注意が必要です。

次章では冷凍温度・冷凍時間だけでなく虫の発育段階や玄米の量などにも目を向けながら玄米の冷凍とコクゾウムシ対策の関係を詳しく見ていきます。

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玄米の冷凍でコクゾウムシ対策はできる?

玄米を冷蔵庫よりもさらに温度の低い冷凍庫へ入れるのであれば「コクゾウムシなどの虫も処理できるのでは?」と考えるのは自然なことです。実際に食品害虫の管理では低温を利用する考え方がありますが家庭で玄米を保存する場合は「冷凍すれば必ず大丈夫」と考えるのではなく何℃で・どのくらいの時間・どのような状態の玄米を冷やしたのかまで考える必要があります。

「冷凍庫が−18℃」と「玄米が−18℃」は同じではない

たとえば常温で保存していた玄米を−18℃程度の冷凍庫へ入れたとします。玄米は冷凍庫へ入れた瞬間に中心まで−18℃になるわけではありません。外側から徐々に冷やされていきます。1kg程度に小分けした玄米と10kg以上の玄米を大きな袋のまま入れた場合では中心部分まで冷える時間も同じとは限りません。

さらに玄米の量・袋や容器の大きさ・玄米を入れたときの温度・冷凍庫内の温度・冷凍庫に入っている食品の量・扉を開閉する頻度などによっても冷え方は変わりますので「冷凍庫へ72時間入れた」ということと「玄米全体が一定の低温に72時間置かれた」ことが同じとはいえない場合があります。

−18℃・72時間ならコクゾウムシは大丈夫?

玄米の虫対策について調べると「−18℃以下で72時間冷凍する」といった具体的な方法を目にすることがありますが、この数字を、そのまま家庭で玄米を完全に殺虫できる絶対的な条件として扱うことには注意が必要です。コクゾウムシには成虫だけでなく卵・幼虫・蛹といった発育段階があります。

さらに幼虫などが穀粒内部に存在することもあります。加えて家庭用冷凍庫では庫内の温度が常に一定とは限らず玄米の量によって中心部まで冷える時間も変わります。したがって「家庭用冷凍庫で−18℃・72時間冷凍すれば玄米に存在するコクゾウムシを発育段階にかかわらず完全に死滅させられる」とまでは一律に断定しない方がよいでしょう。

−20℃で7~10日という資料もある

コクゾウムシと冷凍温度については具体的な温度と期間を示した資料もあります。公益社団法人米穀安定供給確保支援機構の「お米Q&A(新潟大学農学部の大坪研一教授監修)」ではコクゾウムシは低温に弱く15℃以下では発育・増殖ができないとしたうえで−20℃の温度で7~10日置くと成虫・幼虫・卵が死滅すると説明されています。

ここで注目したいのは「冷凍すればよい」というだけではなく−20℃という温度と7~10日という期間がセットで示されていることですが家庭用冷凍庫では「−18℃」が一つの設定温度として使われることがあります。インターネット上では「−18℃で72時間」といった情報を見かけることもありますが今回確認した米穀機構の資料が示している条件とは温度も期間も異なります。

そのため「−20℃で7~10日」という資料があるから「−18℃で72時間でも同じ結果になるはず」と置き換えない方がよいでしょう。さらに家庭では冷凍庫の表示温度と玄米そのものの温度が常に同じとは限りません。玄米の量・袋の大きさ・入れる前の温度・冷凍庫内の位置や開閉などによって玄米全体が冷えるまでの時間も変わりますので注意が必要です。

冷凍する時間はどこから数える?

ここも見落としやすいところです。仮に一定の低温に一定時間さらす条件が示されていたとしても冷凍庫へ入れた時点から時間を数えるのか、それとも対象物そのものが目的の温度へ達してから数えるのかによって意味が変わります。

大量の玄米を一袋にまとめて冷凍した場合、袋の表面と中心では温度の下がり方に差が生じる可能性があります。家庭で実践するときに玄米そのものがどのように冷えていくのかまで考えることが大切です。

冷凍したから、その後は常温でも大丈夫とは限らない

もう一つ重要なのが冷凍後の保存です。仮に冷凍によって玄米にいた害虫へ十分な影響を与えられたとしても、その後常温で長く保存すれば新たな害虫が侵入する可能性まではなくなりません。冷凍処理と、その後の保存環境は分けて考える必要があります。

そこで小分け・密封する→冷凍する→冷蔵へ移す→低温・密封状態で保存する→必要な分だけ取り出すという一連の流れとして考えます。冷凍を「一度行えばその後は何もしなくてよい」とするのではなく冷蔵・密封と組み合わせた保存方法として捉える方が推奨されます。

冷蔵と冷凍の役割を整理しておこう

方法 考え方 注意点
冷蔵 低温環境を維持して害虫が活動・増殖しにくい状態で保存する 殺虫と同じ意味ではない
冷凍 冷蔵よりさらに低い温度に一定時間置く 温度・時間・玄米量・害虫の発育段階などを考える必要がある
冷凍後の冷蔵 低温処理した玄米を引き続き低温環境で保存する 結露・湿気・再侵入・温度変化にも注意する

冷凍するかどうかだけで玄米保存の良し悪しが決まるわけではありません。虫対策として考えるなら冷凍処理だけに頼るのではなく購入後の小分け・密封・低温保存まで含めて管理することがポイントになります。

玄米を冷凍すると味・風味・品質は変わる?

「虫対策になるとしても新米を冷凍したら味が落ちてしまうのでは?」冷凍を考えると次に気になるのが玄米そのものへの影響です。せっかく新米を購入したのであれば虫を防ぐために行った保存方法によって風味を損ねることはできるだけ避けたいところです。

ハク
ハク
冷凍すると風味が落ちるとは一律にはいえないんだね!

ここでは冷凍したという事実だけでなく温度変化・乾燥・湿気・におい移りなど保存中に起こり得る変化も含めて考えてみましょう。

低温で保存すること自体は品質維持に利用されている

米は保存している間にも少しずつ変化していきます。農研機構では籾・玄米・精白米について貯蔵期間の経過や貯蔵温度の上昇に伴って鮮度変化が確認されることを報告しています。つまり米の品質を考えるとき低温で保存すること自体は不利な条件とはいえません。

農林水産省が紹介する米の官能評価方法でも試験用の米は収穫後から食味試験前日まで10℃・相対湿度60~70%で冷蔵保存することが好ましいとされています。一方で、これは「家庭で玄米を冷凍すれば必ず食味がよく保たれる」という意味ではありません。冷凍した玄米の品質を考えるときは冷凍前後の扱いも一緒に見る必要があります。

冷凍そのものだけでなく乾燥にも注意する

家庭用冷凍庫の中は低温ですが食品をそのまま入れておけばよいわけではありません。包装が不十分な状態で長期間保存すると乾燥が進むことがあります。玄米を虫対策として一時的に冷凍する場合でも袋の口が開いた状態で冷凍するのではなく、できるだけ外気との接触を抑えられるように密封しておく方が扱いやすくなります。これは冷凍後に冷蔵庫へ移すときの湿気対策にもつながります。

冷凍庫内のにおい移りにも注意

玄米は冷凍庫内のほかの食品と一緒に保存することになります。魚・肉・香りの強い食品などが十分に包装されていない場合、保存環境によってはにおいが気になることも考えられます。玄米側も密封性の高い袋や容器に入れておけば外気との接触だけでなくにおい移りを抑えるうえでも役立ちます。つまり「何℃で冷凍するか」だけでなく何に入れて冷凍するかも保存方法の一部です。

もっと注意したいのは冷凍庫から出したあと

玄米の冷凍で特に注意したいのが冷凍庫から取り出したあとの温度変化です。冷えた玄米や容器を暖かい場所へ出すと条件によっては表面に結露が生じる可能性があります。玄米を大袋のまま冷凍し冷凍庫から出す→袋を開ける→必要量を取り出す→残りを冷蔵庫や冷凍庫へ戻すという操作を繰り返すと玄米全体が温度変化や外気に触れる機会も増えてしまいます。

そこで冷凍前に小分けしておくことが意味を持ちます。食べる分だけを扱えるようにしておけば残りの玄米を何度も暖かい場所へ出す必要がありません。

新米だからこそ「冷やす」だけでなく「戻す」まで考える

新米の保存というと「できるだけ低い温度なら品質を保てるのでは」と考えがちですが家庭では業務用の低温倉庫とは違い冷凍庫や冷蔵庫の扉を開閉しながら日常的に使用します。そのため温度の数字だけを追うよりも購入した玄米を小分けする・しっかり密封する・温度変化をできるだけ少なくする・冷凍後も低温で保存する・必要な分だけ取り出すという扱い方まで含めて考えた方がよいでしょう。

気になる変化 考えられる要因 家庭でできる工夫
乾燥 冷凍庫内で外気に触れる 密封して保存する
におい移り ほかの食品と同じ庫内で保存する 密封性の高い袋・容器を使う
結露・湿気 冷えた玄米を暖かい空気へ触れさせる 小分けして温度変化と開封回数を減らす
品質の変化 保存期間・温度・水分など複数の条件 低温で安定した保存環境をつくる

「冷凍すると風味が落ちる」と一律にはいえない

玄米を冷凍しただけで直ちに大きく風味が損なわれると考えることはありません。むしろ米は保存温度が高くなるほど鮮度変化が進みやすく低温保存は品質変化を抑えるためにも利用されています。ただ家庭での冷凍については冷凍温度だけで食味や風味への影響が決まるわけではありません。

保存期間・密封状態・玄米の水分・冷凍庫内の温度変化・解凍時の結露など、さまざまな条件が関係しますので保存条件全体を見ることが大切です。そして冷凍後も玄米を保存していくのであれば次に考えたいのが冷蔵庫へ移したあとの温度です。

「15℃以下がよいのであれば、もっと低い0~5℃でもよいのか?」次章ではもう一つの疑問である冷凍後の玄米を0~5℃で冷蔵保存する方法について詳しく見ていきます。

冷凍したあと0~5℃で冷蔵保存してもよい?

玄米を一度冷凍したあと、そのまま冷凍保存するのではなく冷蔵庫へ移して保存したい場合がありますが気になるのが冷蔵庫の温度です。玄米の保存では「15℃以下」という数字を目にすることがありますが、さらに低い0~5℃程度でも保存できるのでしょうか。

ゲン
ゲン
低温を保ちながら湿気や温度変化を抑えることを一緒に考えるといいよ!

結論からいえば食用の玄米を0~5℃程度の低温環境で保存すること自体を過度に心配する必要はありませんが家庭では密封・結露・温度変化なども一緒に管理することが大切です。

「15℃以下」は15℃にしなければならないという意味ではない

農林水産省では米につく害虫は15℃以下になると活動が鈍くなり増殖できなくなるとして家庭では密閉できる容器へ入れて冷蔵庫の野菜室などで保存する方法を紹介しています。ここでいう15℃は「玄米を必ず15℃で保存しなければならない」という意味ではありません。

15℃より低い5~10℃程度の環境も低温保存の範囲として考えることができます。さらに低い0~5℃程度で保存する場合も食用玄米の低温保存という点だけを見れば大きく方向性が変わるわけではありません。むしろ注意したいのは低温そのものよりも冷えた玄米をどのように扱うかです。

0~5℃で保存すると温度差が大きくなる

たとえば5℃で保存していた玄米を室温25℃の部屋へ出せば、その差は20℃あります。0℃近くまで冷えていればさらに差が大きくなります。冷たい容器や玄米が暖かく湿った空気に触れると条件によっては表面に結露が生じる可能性があります。つまり保存中は低温で安定させることに加えて取り出したときに急激な温度変化と湿気へさらさないことも大切です。

冷蔵室と野菜室では温度が違う

家庭用冷蔵庫には冷蔵室・野菜室・チルド室などがありますが、それぞれ温度設定が異なります。さらにメーカー・機種・設定・食品の量・置く場所・扉の開閉頻度によって実際の庫内温度は変わりますので「玄米は必ず野菜室」「必ず冷蔵室」と決めるより使用している冷蔵庫の取扱説明書で各室の温度を確認したうえで安定して低温保存できる場所を選ぶ方がよいでしょう。玄米保存では設定温度の数字だけを追うのではなく低温・密封・温度変化を少なくすることを組み合わせて考えます。

0℃を下回る場所は保存に有利?

0~5℃程度といっても冷蔵庫内のすべての場所が均一にその温度になっているわけではありません。冷気の吹き出し口付近など場所によっては食品が想定以上に冷えることもあります。特に0℃付近で管理する場合は実際の庫内温度や使用している冷蔵庫の設定を確認しておくと安心です。「0℃に近いほど必ず保存に有利」と考えて必要以上に低い温度を目指す必要はありません。

発芽させる玄米は目的を分けて考える

もう一つ区別しておきたいのが食べるために保存する玄米と発芽させることを目的とした玄米で、ここで扱っているのは基本的に炊飯して食べる玄米の保存です。玄米を種子として利用したい場合や発芽能力を重視する場合は冷凍による影響を含めて別に考える必要があります。何のために保存する玄米なのかを確認しておきましょう。

発芽玄米として食べるとき

発芽玄米は玄米に水分と適した温度を与え胚芽からわずかに発芽させて食べるものです。そのため保存方法を考えるときにも単に玄米を食べられる状態で保存できるかだけでなく発芽する力を保てるかという視点が加わります。

種子の発芽能力は保存温度だけで決まるものではなく玄米の水分・保存期間・品種・保存前の状態などさまざまな条件によって変わります。そのため家庭で虫対策として冷凍した玄米について「冷凍しても必ず発芽する」「冷凍すると発芽しなくなる」と一律に判断することはできません。

これから発芽玄米を作ることが分かっているのであれば最初から発芽玄米に適した玄米を選び商品の保存方法や販売者の案内に従って保存する方が分かりやすいでしょう。虫対策についても発芽させる予定の玄米まで一律に冷凍するのではなく密封や低温保存などを含めて保存方法を検討します。

一方すでに冷凍してしまった玄米を発芽玄米として利用したい場合は冷凍したという理由だけで使用できないと判断する必要はありません。まず少量を浸水させ実際に発芽するか確認してから利用するとよいでしょう。

つまり玄米を保存するときはそのまま炊飯して食べる玄米であれば虫対策として冷凍を検討することもできますが発芽玄米として食べる玄米は発芽能力も必要なため虫対策だけを目的とした冷凍を積極的にすすめる必要はないと考えるのが良いようです。

家庭で考えたい保存温度の位置づけ

温度の目安 考え方 注意したいこと
15℃以下 害虫が活動・増殖しにくい低温環境として考える目安 15℃以下=殺虫ではない
5~10℃程度 家庭でも冷蔵によって維持しやすい低温域 密封・庫内の温度変化にも注意する
0~5℃程度 食用玄米の低温保存として考えられる 取り出したときの温度差・結露に注意する

したがって「冷凍後の玄米を0~5℃で冷蔵してもよいですか?」という疑問については食用として低温保存することは可能ですが温度だけでなく密封と結露対策までセットで考えるというのが実際的な答えになります。

冷凍した玄米を冷蔵へ移すときの結露を防ぐ保存方法

冷凍した玄米をその後0~5℃程度の冷蔵庫へ移す場合もう一つ気になるのが「解凍した方がよいのか」「結露しないのか」という問題です。ここでは冷凍庫から冷蔵庫へ移し、その後必要な玄米を取り出すところまで順番に見ていきましょう。

冷凍庫から冷蔵庫へ移すために常温へ戻す必要はない

冷凍した玄米を冷蔵保存へ切り替える場合いったん室温まで戻してから冷蔵庫へ入れる必要はありません。むしろ冷たい玄米を室温へ出すと周囲の暖かく湿った空気に触れることになりますので密封した状態を保ったまま冷凍庫から冷蔵庫へ移すという流れが扱いやすいでしょう。冷凍庫より温度の高い冷蔵庫へ移せば玄米の温度は冷蔵庫内で徐々に上がっていきます。ここで大切なのが袋や容器を開けないことです。

冷凍庫から出した直後に開封しない

結露は冷たいものが暖かく湿った空気に触れたときに起こりやすくなります。たとえば夏場に冷蔵庫から冷たい飲み物を取り出すと容器の外側に水滴が付くことがあります。玄米でも同じように低温の玄米を暖かい空気へ直接触れさせると水分が付着する可能性があります。

そのため冷凍庫から取り出す→密封したまま冷蔵庫へ移す→冷蔵庫内で温度をなじませる→必要なときに取り出すという流れにすると暖かい外気へ触れる機会を減らせます。

「結露するから冷凍できない」という意味ではない

結露は冷凍そのものによって必ず発生するわけではありません。重要なのは冷たい玄米と暖かく湿った空気が接触することです。密封した袋を冷凍庫から冷蔵庫へ直接移す場合、袋の外側に水分が付くことはあっても袋内部の玄米を室内の湿った空気へ直接さらすことは避けやすくなります。そのため冷凍前の段階でしっかり密封しておくことが重要になります。

冷凍する前に小分けしておく

家庭で実践しやすい方法が小分けです。たとえば10kgの玄米を一つの袋で保存すると玄米を使うたびに袋全体を取り出すことになりますが家庭で扱いやすい量に分けておけば必要な袋だけを取り出すことができます。

農研機構でも食品害虫対策として大量に購入して長期間保存する場合はいくつかに分けて密封して保存する方法が案内されています。小分けには玄米全体を何度も出し入れしなくてよい・温度変化を受ける玄米を少なくできる・袋を開ける回数を減らせる・冷凍庫内でも冷えやすくなるといった利点があります。ただし「必ず1kg」「必ず2kg」という決まりがあるわけではありません。家庭の消費量・冷凍庫の大きさ・保存容器などに合わせて扱いやすい量を考えましょう。

大袋を何度も出し入れしない

避けたいのは大量の玄米を一袋に入れたまま冷蔵庫から出す→開封する→玄米を取り出す→戻すという操作を頻繁に繰り返すことです。袋を開けるたびに庫外の空気が入り玄米そのものにも温度変化が生じます。最初から小分けしておけば使用中の一袋だけを開封し残りは密封した低温状態のまま保存できます。

家庭で行うなら保存前から流れを決めておく

ここまでを実際の保存手順として並べると分かりやすくなります。

段階 行うこと 注意点
①購入後 玄米の状態を確認する 虫・異臭・湿気などがないかを見る
②小分け 家庭で扱いやすい量に分ける 清潔で密封できる袋・容器を使う
③密封 できるだけ外気との接触を抑える 冷凍前から密封しておく
④冷凍 低温環境へ置く 庫内温度と玄米自体の温度を同一視しない
⑤冷蔵へ移動 密封したまま冷凍庫から冷蔵庫へ移す 常温へ出して開封しない
⑥冷蔵保存 低温状態を保つ 庫内温度・密封・温度変化に注意する
⑦使用 必要な小分けだけ取り出す 残りを長時間常温へ出さない

冷凍・冷蔵より大切なのは保存環境を安定させること

玄米の虫対策を考えていると「−18℃」「72時間」「5℃」「15℃」といった数字に目が向きやすくなります。もちろん温度は大切です。しかし家庭で玄米を保存するときは数字だけで保存状態が決まるわけではありません。冷凍庫へ入れる玄米の量や包装状態も違えば冷蔵庫の温度や扉を開閉する回数も家庭ごとに違います。

だからこそ低温にすることだけでなく小分けする・密封する・温度変化を減らす・湿気を避けるという基本を組み合わせて考えることが大切です。玄米を一度冷凍してから冷蔵する場合も特別に難しい保存方法として考える必要はありません。

「虫をどうするか」だけを見るのではなく購入した一粒の玄米を炊飯する日までどのような環境に置いておくのか。そこまでを一つの流れとして考えると家庭での玄米保存がぐっと分かりやすくなります。

おすすめの玄米製品

結わえる 寝かせ玄米ごはんパック

玄米を家庭で保存するときは虫対策や保存温度だけでなく、どのくらいの量を購入し、どのように食べ切るかまで考えておくことも大切です。まとめて購入した玄米を小分けして冷凍・冷蔵する方法がある一方で必要なときに一食分ずつ用意できる玄米を取り入れる方法もあります。

その選択肢の一つが結わえる寝かせ玄米ごはんパックで国産玄米を圧力炊飯したあと独自製法で寝かせ、もちもちとした食感に仕上げられています。常温で保存でき電子レンジや湯煎で温めれば一食分の玄米ご飯として食べられるため自宅で玄米を炊飯・保存する方法とは違った取り入れ方ができます。

玄米をたくさん購入して低温保存する日もあれば忙しい日には一食分のパックを利用する。保存方法を一つに決めるのではなく暮らしや食べる頻度に合わせて玄米との付き合い方を選んでみたい方は下の緑色のボタンから公式サイトで詳しくご覧ください。

あとがき

玄米の保存について調べていると「15℃以下」「0~5℃」「−18℃」など、さまざまな温度の数字に出会います。数字だけを見ると、より低い温度で保存すればよいようにも思えますが、それぞれの温度が何を目的としているのかをたどっていくと見え方が少し変わってきます。

玄米を低温で保存すること。コクゾウムシなどの害虫が活動しにくい環境をつくること。冷凍というさらに低い温度を利用すること。そして冷凍した玄米を冷蔵庫へ移し、その状態を保ちながら少しずつ食べていくこと。同じ「冷やす」でも、それぞれ役割は同じではありません。

コクゾウムシには米粒に穴を開けて産卵し幼虫が穀粒の内部で育つという興味深い生態があります。保存容器の中で突然虫が現れたように感じることがあるのも米粒の外側だけを見ていては分からない世界が一粒の中にあるからです。

また玄米を冷凍庫へ入れたからといって、その瞬間に玄米全体が冷凍庫と同じ温度になるわけではありません。小さな一粒の米でも大量に集まれば外側と中心では冷え方が変わります。こうして考えてみると玄米保存は単に「何℃で保存するか」という話だけではないことが分かります。

小分けにする。密封する。冷凍庫から冷蔵庫へ移すときには急激な温度変化を避ける。そして食べる分だけを取り出す。玄米一粒を長く保存するという何気ない行為の中にも温度・水分・空気・昆虫の生態といったさまざまな世界が隠れています。

「玄米に虫が出て驚いた」という経験をきっかけに保存方法を調べてみることも玄米についてもう一歩深く知る入口になります。いろいろ試してみてお楽しみくださればと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます。さらに玄米は腐るとどうなるのかについてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。

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