玄米というと茶色い一粒を思い浮かべるかもしれませんが、その一粒にはコシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれなど、それぞれの品種があります。さらに視野を広げれば、もち米・低アミロース米・黒米や赤米などの有色米・胚に特徴を持つ米など玄米にはさまざまな違いが見えてきます。
品種によって異なるのは名前だけではありません。粒の特徴や粘りなどに違いがあり、どこで生まれたのか、どの品種を親に持つのかと系譜をたどることもできます。この「玄米の品種辞典」では、名前・食感・色・胚・産地・系譜などさまざまな方向から一粒一粒を見ていきます。いつもの玄米も品種を知ってから眺めると少し違って見えるかもしれません。茶碗の中の一粒から、その向こうに広がる玄米の世界をたどってみましょう。
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玄米にも「品種」がある
玄米というと白米になる前のお米というイメージかもしれませんが玄米も「品種」があります。スーパーや米店へ行けばコシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれ・ササニシキ・つや姫・ななつぼしなど、さまざまな名前のお米が並んでいます。
白米として目にすることの多い名前ですが、これらは玄米とも深く関係しています。玄米は特定の品種を表す名前ではありません。収穫した稲から籾殻を取り除き糠層や胚芽を残した状態のお米を玄米と呼びます。そのため同じ玄米でも、もとになる稲の品種によって特徴は異なります。
玄米は品種の名前ではなく米の状態を表している
田んぼで育った稲から収穫されるのは籾です。籾から籾殻を取り除くと玄米になり、さらに表面の糠層や胚芽などを取り除いていくと白米になります。つまり玄米と白米は別々の品種ではありません。同じコシヒカリでも玄米の状態で食べることもあれば精米して白米として食べることもできます。あきたこまちやひとめぼれなどについても基本的な考え方は同じです。
玄米だけの特別な品種が並んでいるわけではなく日本各地で育てられているさまざまな米の品種です。一方で玄米として利用されることを意識して育成された品種や、もち米・低アミロース米・有色米・胚に特徴を持つ米などもあり玄米の品種は多様です。
コシヒカリだけが玄米ではない
玄米について調べていると「玄米は硬い」「玄米はもちもちしている」「玄米は香ばしい」などさまざまな説明に出会いますが、すべての玄米がまったく同じ性質を持っているわけではありません。コシヒカリ・ササニシキ・あきたこまちなど品種が異なるだけでなく、うるち米ともち米でも性質が異なります。
さらに低アミロース米や黒米・赤米などへ視野を広げると一口に玄米といってもさまざまな米があることが分かります。もちろん実際の食味は品種だけで決まるものではありません。産地・気候・栽培方法・収穫時期・保存状態・炊飯方法など多くの条件が関係します。そのため「この品種なら必ずこの味になる」とは言えず品種は特徴を知るための一つの手掛かりとして捉えるとよいでしょう。
品種を知ると玄米の見え方が変わる
普段は「今日は玄米を食べよう」と考えることはあっても「今日はどの品種の玄米を食べよう」と考える機会はそれほど多くないかもしれませんが品種に目を向けると玄米の楽しみ方が少し変わります。この玄米はどこで生まれたのだろう。どのような品種から生まれたのだろう。粒や粘りにはどのような特徴があるのだろう。別の品種を玄米で炊いたらどのような違いを感じるのだろう。一粒を入口にして次々と疑問が広がっていきます。
この「玄米の品種辞典」では、それぞれの一粒がどのような背景と特徴を持っているのかをたどりながら玄米の多様な世界を見ていきます。
玄米の品種は何が違う?
玄米にさまざまな品種がありますが「品種が違うと何が変わるのか」が気になります。見た目にはよく似ている玄米でも一粒を詳しく見ていくと違いがあります。粒の大きさや形だけではなく炊いたときの粘り・硬さ・口の中で感じる粒感などにも品種の特徴が関係します。
一粒の大きさや形が違う
まず目で確認しやすいのが粒そのもので米には粒の長さ・幅・厚みなどがあり品種によって特徴があります。玄米では糠層や胚芽が残っているため白米とは少し違った姿で一粒を見ることもできます。ただ肉眼で見ただけで品種を正確に判別できるとは限りません。玄米は全部同じ形をした一粒ではありません。
粘りや食感にも違いがある
品種の違いを感じやすいもう一つの要素が炊いたときの食感です。米のでんぷんは主にアミロースとアミロペクチンから構成され、その構成は米の性質や炊飯後の食感と関係しています。一般的なうるち米だけでなくアミロースの割合が比較的低い低アミロース米や性質の異なるもち米もあります。
そのため「玄米は硬いもの」と一括りにするだけでは、それぞれの品種が持つ違いを十分に捉えることはできません。玄米として炊いた場合は糠層が残っているため浸水時間・水加減・炊飯方法などによっても食感は変化します。品種そのものの特徴と炊き方による変化の両方を見ることが大切です。
色の違う玄米もある
玄米というと薄い茶色を思い浮かべますが、すべての玄米が同じ色をしているわけではありません。黒米と呼ばれる紫黒色の米や赤米など果皮などに色素を持つ有色米があります。緑色を帯びて見える米もあり一粒の色に注目するだけでも玄米の世界は大きく広がります。
胚に特徴を持つ品種もある
玄米を見たとき白米との違いとして分かりやすい部分の一つが胚で、その大きさにも特徴を持つ米があります。通常の米より胚が大きくなる性質を持つものは巨大胚米と呼ばれ玄米や発芽玄米などへの利用を考えて育成された品種もあります。玄米だからこそ残されている部分へ目を向けると「粒の大きさ」だけでは分からなかった品種の違いが見えてきます。
産地や栽培特性も品種を知る手掛かりになる
品種には食べたときの特徴だけでなく稲として田んぼで育つときの特徴もあります。寒い地域に適した品種、高温条件への対応を意識して育成された品種、病害への抵抗性などを考えて育成された品種など米の品種にはそれぞれが生まれてきた背景があります。
現在私たちが目にする一粒は食味だけを追い求めて生まれたものとは限りません。「どこで育てるのか」「どのように安定して収穫するのか」「どのような米を求めるのか」といったさまざまな課題の中から品種が生まれています。玄米の品種を知るということは茶碗の中の味や食感だけでなく、その一粒が田んぼでどのように育ってきたのかを見ることでもあります。
品種だけで玄米のおいしさは決まらない
ここで一つ覚えておきたいのが品種名だけで実際の一膳を決めつけないことです。同じ品種でも産地や栽培条件が異なれば米の状態は変わります。収穫後の乾燥・保存状態や鮮度も関係します。さらに玄米では浸水時間・水加減・炊飯器や圧力鍋などの調理方法によって硬さや粒感の感じ方も変わりますので「コシヒカリだから必ずもちもちする」「ササニシキだから玄米でも必ずあっさりする」というように品種名だけから食味を断定することはできませんが品種は玄米を知るための一つの手掛かりです。
次の章では視野をさらに広げて、うるち米・もち米・低アミロース米・有色米・巨大胚米など玄米を大きな種類から見ていきます。
玄米を大きな種類から見てみる
玄米の品種を一つずつ見ていく前に、まずは少し離れたところから全体を眺めてみましょう。玄米にはコシヒカリやあきたこまちのような品種名がありますが、それとは別にうるち米・もち米など性質による大きな分け方があります。
さらに低アミロース米・有色米・巨大胚米など特定の特徴に注目して捉えることもできます。こうした分類を知っておくと、たくさんの品種名をただ覚えるのではなく「この玄米はどのような特徴を持つ米なのだろう」と一粒ずつ整理しやすくなります。
うるち米|普段のご飯として身近な米
私たちが普段ご飯として食べている米の多くはうるち米です。コシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれ・ササニシキなども基本的にはうるち米に含まれます。白米として食べる場合には糠層や胚芽などを取り除きますが、それらを残した状態なら玄米として食べることができます。
つまり「うるち玄米」という特別な一つの品種があるのではありません。うるち米に分類されるさまざまな品種を玄米の状態で見たものと考えると分かりやすいでしょう。同じうるち米でも品種によって粘り・粒の特徴などは異なります。
もち米|玄米のまま食べれば「もち玄米」に
餅や赤飯などに利用されるもち米も精白する前は玄米の状態にすることができます。それが一般に「もち玄米」と呼ばれるものです。もち米とうるち米では、でんぷんの構成に大きな違いがあります。もち米のでんぷんはほぼアミロペクチンで構成されており加熱すると強い粘りが生まれます。
玄米の状態では糠層などが残っているため白いもち米や餅とまったく同じ食感になるわけではありません。それでも、もち米という米そのものの性質を知ることは、もち玄米の食感を理解する手掛かりになります。いつものうるち玄米とは違う一粒を探していると、もち玄米という選択肢に出会うことがあります。
低アミロース米|粘りという特徴から見る
米の食感を考えるうえで一つの手掛かりになるのが、でんぷんに含まれるアミロースです。一般的なうるち米と比べてアミロース含有率が低い米は低アミロース米と呼ばれ炊飯したときに粘りを感じやすい特徴があります。代表的な品種として知られているのがミルキークイーンです。
低アミロース米は「玄米の加工方法」ではなく米そのものが持つ性質に注目した分類です。玄米は糠層が残っているため白米とまったく同じ食感になるとは限りませんが品種と食感の関係を考えるうえで知っておきたい米の一つです。
有色米|黒・赤・緑など色から見る玄米
玄米は茶色というイメージがありますが一粒ずつ見ていくと異なる色を持つ米があります。その代表が黒米や赤米などの有色米です。黒米と呼ばれる米では果皮などにアントシアニン系の色素を含むものがあり紫黒色に見えます。赤米ではタンニン系の色素によって赤褐色を呈するものがあります。
さらに緑色を帯びた状態の米が「緑米」として流通することもあります。ここで注意したいのは黒米・赤米などがそれぞれ一つだけの品種名ではないことです。黒米にも複数の品種があり赤米にも複数の品種があります。
巨大胚米|胚の大きさから見る玄米
玄米には白米へ精米すると取り除かれることの多い胚が残っています。その胚に注目して品種を見ていくと「巨大胚米」と呼ばれる米に出会います。巨大胚米は一般的な米よりも胚が大きくなる特徴を持つ米です。品種改良によって育成されたものがあり玄米や発芽玄米などへの利用も行われています。
代表的なものとして「金のいぶき」などがあります。コシヒカリやあきたこまちを見ているだけでは気づきにくい違いですが一粒の胚まで見てみると玄米にはまた別の世界が広がっています。このように玄米は、うるち・もちという基本的な性質だけでなく、でんぷん・色・胚などさまざまな視点から見ることができます。次は視点を反対にして実際の品種名から一粒ずつ玄米を探してみましょう。
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名前から玄米の品種を探してみる
米売り場では「玄米」とだけ表示された商品を見ることもあれば「コシヒカリ玄米」「あきたこまち玄米」のように品種名が表示された製品を見ることもあります。その名前を手掛かりに一粒をたどってみましょう。品種によって生まれた地域や育成の背景は異なり粒や食味にもそれぞれ特徴があります。
ただ実際の玄米の食味は品種だけで決まるものではありません。産地・栽培条件・収穫年・保存状態・浸水・炊飯方法などによっても変わります。ここでは優劣を決めるのではなく、それぞれの品種を知るための入口として見ていきましょう。
コシヒカリ
日本で広く知られているうるち米の品種で粘りや食味などが評価され各地で栽培されてきました。玄米として見る場合にも「コシヒカリ」という品種の特徴だけでなく産地や炊き方などを合わせて見ていく必要があります。さらに品種の系譜をたどると現在栽培されているさまざまな品種とのつながりも見えてきます。
あきたこまち
秋田県で育成されたうるち米の品種でコシヒカリを交配親の一つとして生まれており品種の系譜という視点から見ても興味深い一粒です。「あきたこまち」という名前を知っている方も玄米として一粒を見直すことで白米とは少し違った品種の姿を知ることができます。
ひとめぼれ
宮城県で育成されたうるち米の品種で、ひとめぼれもコシヒカリを親の一つに持ちます。現在の米の品種を調べていくと、このように一つの品種から別の品種へとつながる系譜を見ることができます。
ササニシキ
宮城県で育成されたうるち米の品種で粘りを強く感じるタイプとは異なる食味で知られてきた品種でコシヒカリなどと比較されることもあります。玄米として食べた場合には糠層による粒感なども加わるため白米として語られる特徴をそのまま当てはめるのではなく実際の炊飯条件と合わせて見ていくことが大切です。
つや姫
山形県で育成されたうるち米の品種で比較的新しい世代の品種を見ていくと食味だけでなく栽培特性などさまざまな目標を持って品種改良が続けられてきたことが分かります。玄米としての一粒から、その背景にある育種へ目を向けてみるのも面白いでしょう。
ななつぼし
北海道で育成され北海道を代表する米の一つとして広く栽培されているうるち米です。北海道では気候に対応しながら米作りが続けられ多くの品種が育成されてきました。品種だけを見るのではなく「どの地域で育てるために生まれてきたのか」という視点を加えると玄米と産地との関係も見えやすくなります。
ゆめぴりか
北海道で育成されたうるち米で低アミロース性を持つ品種で粘りなどに特徴があり同じ北海道のななつぼしと比べても品種として異なる個性があります。「北海道の玄米」と一括りにせず品種まで見ていくと同じ地域の中にも異なる一粒があることが分かります。
にこまる
西日本を中心に栽培されているうるち米の品種で高温条件でも品質を保ちやすい品種として育成されており近年の米作りを考えるうえでも興味深い存在です。
ミルキークイーン
ミルキークイーンは低アミロース米として知られるうるち米の品種で一般的なうるち米とは異なる粘りや食感を持つため「品種によって米の性質が違う」ということを知るうえでも分かりやすい存在です。玄米として見れば糠層による食感も加わります。低アミロースという特徴が玄米の一膳でどのように感じられるのかを見ていきます。
金のいぶき
金のいぶきは胚が大きい巨大胚の特徴を持つ品種です一般的な品種とは異なり玄米として利用することも意識して育成されています。玄米の品種というテーマを深く掘るならコシヒカリなど白米でも身近な品種だけでなく、こうした「玄米だからこそ特徴が見えやすい品種」にも目を向けたいところです。
玄米の品種を一覧から見てみる
名前から探したいときは、それぞれの特徴を一覧にしておくと違いをつかみやすくなります。
| 品種 | 大きな分類 | 品種を見る手掛かり |
|---|---|---|
| コシヒカリ | うるち米 | 粘り・系譜 |
| あきたこまち | うるち米 | コシヒカリとの系譜・産地 |
| ひとめぼれ | うるち米 | コシヒカリとの系譜・産地 |
| ササニシキ | うるち米 | 食感・系譜 |
| つや姫 | うるち米 | 育成背景・粒・食味 |
| ななつぼし | うるち米 | 北海道・食味 |
| ゆめぴりか | うるち米 | 北海道・低アミロース性 |
| にこまる | うるち米 | 高温条件への適応・育成背景 |
| ミルキークイーン | 低アミロースうるち米 | アミロース・粘り |
| 金のいぶき | 巨大胚うるち米 | 胚の大きさ・玄米利用 |
一覧を見ると玄米の違いは「味」だけではないことが分かります。品種の系譜から見ることもできれば北海道・東北・西日本など育成された地域から見ることもできます。さらに低アミロース性や巨大胚といった一粒そのものの特徴から探すこともできます。名前を知っている玄米から入っても、まだ知らない特徴から入っても構いませんが茶碗の中にある一粒にも名前と背景があることに目を向けてみてください。
次の章では品種名からではなく「もちもちした玄米」「色のある玄米」「胚に特徴のある玄米」など気になる特徴から玄米の品種を探していきます。
特徴から玄米の品種を探してみる
ここまではコシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれなど品種の名前を手掛かりに玄米を見てきましたが品種名をまだよく知らない場合は「どの名前から調べればよいのだろう」と迷うこともあります。そんなときは名前ではなく気になる特徴から一粒を探してみる方法があります。
もちもちした玄米・もち米からできた玄米・黒や赤など色のある玄米・胚が大きな玄米など同じ玄米でも注目するところを変えるとさまざまな種類が見えてきます。
もちもちした玄米を知りたい
玄米の硬さや粒感だけでなく粘りのある食感にも注目してみたいときは低アミロース米を調べてみると玄米の世界が広がります。米の食感には品種が持つでんぷんの性質が関係しており一般的なうるち米よりアミロース含有率が低い米は低アミロース米と呼ばれます。
代表的な品種として知られているのがミルキークイーンで、ゆめぴりかにも低アミロース性があります。ただ玄米では糠層が残っているため白米として食べたときの食感がそのまま再現されるわけではありません。浸水時間や水加減などによっても食感は変わります。「もちもち」という言葉だけで品種を決めるのではなく低アミロースという性質から品種をたどってみるとよいでしょう。
もち米の玄米を知りたい
もちもちした食感という言葉から、もち米を思い浮かべる方もいるでしょう。低アミロース米ともち米は同じものではありません。もち米のでんぷんはほぼアミロペクチンで構成されており、うるち米とは性質が異なります。精白せず玄米の状態で利用されるものは一般に「もち玄米」と呼ばれます。玄米の品種を調べるときには、うるち米の中から品種を探すだけでなく、もち米という別の入口から一粒を探すこともできます。
黒や赤など色のある玄米を知りたい
玄米の色そのものに興味があるなら有色米へ進んでみましょう。黒米・赤米などには果皮などに色素を持つものがあり一般的な玄米とは異なる色をしています。黒米という一つの品種が存在するのではなく紫黒米にも複数の品種があります。赤米についても同じように複数の品種が存在します。
そのため「黒米を知る」「黒米にはどんな品種がある?」「この品種はどこで生まれた?」と一粒ずつ掘り下げていくことができます。色は目で確認しやすい特徴だからこそ玄米の多様性を知る入口にもなります。
胚に特徴のある玄米を知りたい
玄米だからこそ注目してみたい部分が胚です。一般的な米よりも胚が大きくなる性質を持つ巨大胚米があります。その一つが「金のいぶき」で玄米を白米のように味や粘りだけで比較するのではなく一粒の構造そのものに目を向けると品種を見る物差しが増えていきます。「玄米として食べること」を入口に品種を調べたい方にとって巨大胚米は興味深いグループの一つとなります。
身近な品種を玄米で見てみたい
特別な特徴から探すのではなく普段から聞き慣れた米を玄米で食べてみたいという探し方もあります。コシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれ・ササニシキなど白米として身近な品種も玄米の状態で見ることができます。いつも食べている品種なら白米と玄米という精米状態の違いに注目することもできます。さらに一つの品種を調べると、その親となった品種や子孫にあたる品種が見つかることがあります。
気になる特徴から一粒を探してみる
どこから調べればよいか迷ったときは次のように整理すると探しやすくなります。
| 気になること | 探してみたい種類・品種 | 次に見るところ |
|---|---|---|
| もちもちした米を知りたい | 低アミロース米・ミルキークイーンなど | アミロース・食感 |
| もち米の玄米を知りたい | もち玄米 | うるち米との違い |
| 黒い米を知りたい | 黒米・紫黒米 | 色素・個別品種 |
| 赤い米を知りたい | 赤米 | 色素・個別品種 |
| 胚の大きな米を知りたい | 巨大胚米・金のいぶき | 胚・育成背景 |
| 身近な米から知りたい | コシヒカリ・あきたこまち・ひとめぼれなど | 系譜・産地 |
ここで探しているのは「一番よい玄米」ではありません。名前から探しても色から探しても食感から探しても構いません。自分が気になった特徴から一粒を探し、その先にある品種を知る。そのための入口となります。
一粒から広がる玄米の世界
ここまで玄米を品種という視点から見てきました。最初はどれも同じように見えていた玄米もコシヒカリ・あきたこまち・ササニシキなど名前を知り、うるち米・もち米・低アミロース米・有色米・巨大胚米などへ視野を広げると、それぞれ違った背景を持つ一粒であることが見えてきます。
しかし玄米の品種を知る面白さは名前や特徴を覚えることだけではありません。一粒を深くたどっていくと、さらにその向こう側へ世界が広がっていきます。
品種には親がいる
現在栽培されている多くの品種には、その品種が生まれるまでの系譜があります。たとえばコシヒカリも、ある日突然田んぼに現れたわけではありません。異なる系統を交配し何世代にもわたって選抜を重ねながら育成されてきました。
そしてコシヒカリ自身も別の品種を生み出す交配親として利用されてきました。一つの品種から親をたどる。今度はその品種から生まれた別の品種をたどる。そうすると玄米の品種辞典は単なる名前の一覧ではなく一粒と一粒がつながった系譜として見えてきます。
品種から産地が見えてくる
品種を調べると、その米がどこで育成され、どの地域で栽培されているのかという情報にも出会います。北海道には北海道の米作りがあり東北・関東・北陸・西日本にもそれぞれの気候や環境があります。同じ日本の田んぼでも気温・日照・降水などの条件は一様ではありません。
その土地で米を安定して育てるため病害への抵抗性・収量・成熟する時期・暑さや寒さへの対応など、さまざまな課題と向き合いながら品種改良が続けられてきました。品種名の向こうには、その一粒が育つ田んぼがあります。
品種から稲作の歴史が見えてくる
現在では多くの品種名が当たり前のように使われていますが人が米の特徴を選びながら次の世代へつないできた歴史は長く続いています。近代以降は交配や選抜などによる育種が進み各地域や時代の課題に応じた品種が数多く生み出されてきました。
さらに現在も品種改良は続いています。気候や栽培環境が変化すれば米作りに求められる特徴も変わる可能性があります。品種の歴史を知ることは過去の玄米を知るだけではありません。これからどのような一粒が田んぼで育てられていくのかを考える入口にもなります。
一粒から食文化へつながる
米は田んぼで収穫されて終わるものではありません。玄米として食べることもあれば精米して白米にすることもあります。もち米なら餅や赤飯などへ使われ色のある米が料理や行事と結びつくこともあります。米を搗くことから糠が生まれ、その糠を利用する文化も生まれてきました。
一つの品種をたどっていくと食べ方・加工・保存・地域の料理や暮らしへとつながっていきます。玄米の品種は「植物の名前」であると同時に人が米を育て加工し食べてきた営みを考える手掛かりにもなります。
そして一粒は一膳へ戻ってくる
品種・系譜・産地・稲作・歴史・文化までたどったあと、もう一度いつもの食卓へ戻ってみましょう。茶碗に盛られている玄米は単なる「玄米」という一種類の食べ物ではありません。そこには品種があります。その品種が生まれるまでの系譜があります。育てられた土地があります。田んぼがあります。
そして米を育て、食べ続けてきた人の営みがあります。一粒の玄米から始めて一粒の玄米 → 品種 → 系譜 → 産地 → 稲作 → 歴史・食文化 → 一膳の玄米へ。玄米についてもっと知りたくなったら今度は稲作・歴史・文化という別の入口から一粒を眺めてみることもできます。
そして次に玄米を食べるとき、ほんの少しだけ一粒に目を向けてみてください。「この玄米は、どんな品種なのだろう。」その小さな疑問から、また新しい玄米の世界が始まっていきます。
おすすめ製品|アルファー食品プチっともち玄米
玄米の品種を見ていくと普段ご飯として食べることの多いうるち米だけでなく、もち米を玄米の状態で味わう「もち玄米」にも出会います。品種や種類による違いを知ったあとに実際の一膳で食感を確かめてみるのも玄米を知る一つの方法です。
その選択肢の一つがアルファー食品の「ぷちっともち玄米」で、もちもちとした食感と自然な甘みを楽しめる玄米です。洗米や浸水をせず白米と一緒に白米モードで炊飯できるため、いつものご飯に少量混ぜるところから気軽に取り入れられます。うるち米とは異なる、もち玄米ならではの食感を味わってみたい方にも取り入れやすい製品です。
アルファー食品 ぷちっともち玄米
アルファー食品ぷちっともち玄米は国産もち米を100%使用し独自のアルファ化加工によって食べやすく仕上げたもち玄米です。もち米ならではの自然な甘みと、もちもち・ぷちぷちとした食感が特徴で玄米特有の香りも抑えられています。
洗米やつけ置きの必要がなく炊飯器では白米と同じ設定で炊くことができ白米と混ぜ炊きすることもできます。また、ゆでてサラダやスープに加えるなどアレンジしやすく玄米を普段の食事へ手軽に取り入れたいときにも使いやすい製品です。ご興味がおありの方は下の緑色のボタンから公式サイトで詳しくご確認ください。
あとがき
玄米をひとまとめにして見ていたときには同じように見えた一粒も品種を知ることで少し違って見えてきます。コシヒカリにはコシヒカリの背景がありササニシキにはササニシキの歩んできた道があります。あきたこまちやひとめぼれの系譜をたどれば別の品種とのつながりが見え黒米や赤米へ目を向ければ色という新しい入口が現れます。
もち米や低アミロース米、巨大胚米まで視野を広げれば「玄米」という言葉の中に思っていた以上に多様な一粒があることにも気づきます。名前が気になった一粒からでも色や食感が気になった一粒からでも構いません。その品種はどこで生まれたのだろう。
どのような米を親に持つのだろう。どんな土地で育てられているのだろう。一つ調べるたびに次の疑問が見つかります。今日の茶碗に盛られた玄米にも名前があります。気になる一粒を見つけたら、その名前から玄米の世界をもう少し深く覗いてみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございます。さらに玄米の品種とは何か?についてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。
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