玄米応用編

玄米と腸内環境の関係|白米との比較や研究論文を科学的に解説

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ハク
ハク
こんにちはハクです!今回は玄米を食べると腸内細菌がどう変わるのか科学的に教えて?
ゲン
ゲン
はい!こんにちはゲンです。玄米を食べた人の腸内細菌を調べた研究があるので白米との比較も交えながらわかりやすく解説するよ!

玄米は食物繊維を含む食品として知られていますが実際に食べることで腸内細菌や腸内環境にはどのような変化が現れるのでしょうか。玄米と腸内環境の関係については実際に人に玄米や玄米を使った食品を食べてもらい腸内細菌の種類や割合そして短鎖脂肪酸などを調べた研究が報告されています。

ただ研究によって使われる玄米の種類や摂取期間あるいは調査方法は異なり必ずしも同じ結果が得られているわけではありません。このコンテンツでは玄米と腸内環境に関するヒトを対象とした研究を取り上げ、どのような結果が報告されているのか白米との比較では何が分かっているのかを紹介します。

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玄米と腸内環境にはどんな関係があるの?

玄米と腸内環境について調べると食物繊維が豊富であることや腸内細菌との関係など、さまざまな情報が見つかり玄米に含まれる成分の働きが知られていますが実際に玄米を食べた人の腸内環境が変化するのでしょうか。そこで注目したいのが実際に人に玄米を食べてもらい、その前後にどのような変化が現れるかを調べる研究です。

例えば玄米を食べる前と食べた後で腸内細菌の種類や割合を調べたり白米を食べた場合と比較したりすることで玄米と腸内環境の関係を確かめようとしていますが腸内環境は玄米だけで決まるものではありません。普段食べている野菜・果物・豆類などの食品や生活習慣もともとの腸内細菌の状態なども関係しますので研究では玄米以外の条件にも目を向ける必要があります。

また研究に使われる食品もさまざまで普段の食卓に並ぶ玄米ご飯のほか表面を加工した玄米や発酵させた玄米などが使われることもあります。加工方法が異なれば食品の性質も変わるため、それぞれの結果を同じものとして扱うことはできません。

玄米と腸内環境の研究を読むときは、まず「誰が、どのような玄米を、どれくらい食べたのか」を確認することが出発点になります。この基本を押さえておくと研究結果を必要以上に大きく受け止めることなく玄米と腸内環境の関係を理解しやすくなります。

玄米を食べると腸の中で何が変わるの?

玄米と腸内環境の研究では腸の中を直接観察するだけでなく便などを調べることで腸内環境の変化を推測しています。代表的な調査対象が腸内細菌で私たちの腸には多くの種類の細菌が存在しており食事などによってその種類や割合が変化することがあります。

ハク
ハク
腸内環境の研究では細菌の種類や数だけでなく便通やお腹の状態まで調べるんだね!

研究では便に含まれる細菌のDNAを調べ、どのような細菌がどれくらい存在しているのかを推定し玄米を食べる前後で腸内細菌の構成が変わったかどうかを確かめることができます。もう一つ注目されるのが短鎖脂肪酸で、これは腸内細菌が食物繊維などを利用して作る物質で酢酸・プロピオン酸・酪酸などがあります。

短鎖脂肪酸は大腸の働きにも関係していますが便の中で測定された量が多いことだけで腸内環境がよくなったと判断できるわけではありません。腸内で作られた短鎖脂肪酸の一部は体内に吸収されるため便に残った量だけでは全体の働きを把握できないからです。

さらに研究によっては排便回数・便の硬さ・お腹の張りなども調べ腸内細菌の変化だけでなく実際に体の状態に違いが現れているかを確かめています。研究で調べられる主な項目を整理すると次のようになります。

調べること 研究で確かめたい内容
腸内細菌の種類 どのような細菌が存在するか
腸内細菌の割合 特定の細菌が増えたり減ったりするか
腸内細菌の多様性 細菌の種類や分布に変化があるか
短鎖脂肪酸 腸内細菌が作る物質に変化があるか
排便回数 便を出す回数に違いが現れるか
便の状態 硬さや形などが変化するか
お腹の症状 張りや不快感などに違いがあるか

ここで大切なのは、これらの項目がすべて同じ意味を持つわけではないということです。例えば、ある種類の腸内細菌が増えても排便回数やお腹の症状には変化が見られない場合があり反対に便通に変化があっても、その理由を特定の細菌だけで説明できるとは限りません。

研究結果を読むときには単に「腸内環境が変わった」という言葉だけでなく実際に何を測定し、どの項目に変化が見られたのかを確かめることが重要です。

研究資料の確認

中心となる重要な研究がありますので確認しておきます。

発表年 研究対象 主な内容
2013年 健康な成人28人 玄米・大麦・両者の混合を各4週間摂取し腸内細菌などを比較
2020年 成人30人 玄米おにぎりを週5回・12週間提供し腸内細菌や短鎖脂肪酸を調査
2022年 タイの学童127人 玄米の摂取と腸内細菌の変化を調査
2022年 メタボリックシンドロームのある成人40人 発酵玄米飲料と発酵白米飲料を4週間比較
特に2013年の研究では玄米を摂取した条件で腸内細菌の多様性などに変化が報告されています。一方2022年の学童を対象とした研究では玄米の摂取による明確な変化は全体として確認されませんでした。

玄米と腸内環境の研究ではどんな結果が出ているの?

玄米と腸内環境の関係については実際に人に玄米を食べてもらい腸内細菌などの変化を調べた研究があります。研究によって参加者の年齢・食べた玄米の種類・摂取期間・調査方法は異なりますので結果を比較するときには単に腸内環境が変わったかどうかだけでなく、どのような条件で得られた結果なのかを確かめることが大切です。

玄米や大麦を食べた人の腸内細菌を調べた研究

2013年には健康な成人28人を対象に玄米や大麦を含む食事と腸内環境の関係を調べた研究が発表されています。この研究では玄米・大麦・両者を組み合わせた食事などの条件を比較し腸内細菌の構成や短鎖脂肪酸などを調べました。

その結果、全粒穀物を取り入れた食事によって腸内細菌の構成や代謝に関係する指標に変化が報告されました。ここでは玄米だけでなく大麦も研究対象に含まれていますので研究全体の結果を、そのまま玄米だけの働きとして説明することはできません。

玄米おにぎりを使った研究

2020年には成人30人を対象に玄米おにぎりを週5回、12週間提供して腸内環境の変化を調べた研究が報告されています。このような研究は普段の食事に近い形で玄米を取り入れている点が特徴ですが研究結果を読む際には腸内細菌の種類や割合が変化したのか短鎖脂肪酸に違いが見られたのか、さらに白米を食べた人との比較が行われたのかを区別する必要があります。玄米を食べる前後で変化が見られたとしても、その変化が玄米だけによって生じたと判断するには比較条件を確認することが重要です。

子どもを対象とした玄米の研究

2022年にはタイの学童127人を対象に玄米の摂取と腸内細菌の関係を調べた研究も報告されています。この研究では玄米を食べることによって腸内細菌にどのような変化が現れるかが調べられましたが全体として明確な変化が確認されたわけではありませんでした。

この結果は玄米に腸内環境への作用がないことを証明するものではありません。研究対象が子どもであることや摂取期間・食事内容・測定方法などによって確認できる変化が異なる可能性があります。大切なのは期待した変化が見られなかった研究も玄米と腸内環境の関係を理解するための重要な資料になります。

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玄米と白米を比べると何が違うの?

玄米と腸内環境の関係を確かめるうえで重要になるのが白米との比較です。玄米と白米は同じ米から作られますが玄米には精米によって取り除かれるぬか層や胚芽が残っていますので食物繊維などの成分に違いがあります。では実際に玄米と白米を食べ比べると腸内細菌にも違いが現れるのでしょうか。

玄米を食べた人と白米を食べた人を比較する

2022年に発表されたタイの研究では6〜12歳の学童127人を対象に玄米の一種であるSinlek米と白米を比較しました。学校給食でそれぞれの米を提供し便に含まれる腸内細菌の量などを調べています。研究は2つの期間に分かれており前半と後半で玄米を食べる学年を入れ替える方法が採用されました。その結果、調査した腸内細菌の量について玄米を食べたグループと白米を食べたグループの間に明確な統計的差は確認されませんでした。

なぜ違いが確認されなかったのか?

この研究では参加者の年齢によって腸内細菌の状態に違いがあることも報告されていますし学校以外で食べる食品は十分に管理されておらず研究の途中には新型コロナウイルス感染症による長期間の中断もありましたので玄米を食べたことによる影響と年齢や普段の食生活などによる影響を完全に分けて判断することは難しい研究でした。この研究で明確な差が確認されなかったことは玄米と白米の腸内環境への影響が必ず同じであることを意味しているわけではありますん。

研究結果を比較するときの3つの視点

玄米と白米の比較研究を読む際には次の点を確かめると理解しやすくなります。

確かめること 注目したい内容
誰が食べたのか 子どもか成人か・健康状態に違いがあるか
どのように食べたのか 玄米の種類・量・摂取期間は同じか
何を比較したのか 腸内細菌の量・種類・便通など、どの項目を調べたか

同じ玄米と白米の比較でも対象者や調査方法が異なれば研究で確認できる内容も変わります。玄米を食べることと腸内環境の関係については2013年の成人28人を対象とした研究では玄米を含む全粒穀物の摂取によって腸内細菌の多様性などに変化が報告されていますが、この研究は白米との直接比較ではなく玄米・大麦・両者の混合を調べたものです。このように研究条件を一つずつ確かめることで玄米と白米の違いについて現在の科学でどこまで分かっているのかを整理できます。

腸内細菌が増えれば腸によいといえるの?

玄米と腸内環境の研究では特定の腸内細菌が増えたり細菌の種類や割合が変化したりすることがあります。こうした結果を見ると玄米を食べることで腸内環境がよくなったと考えたくなるかもしれませんが腸内細菌の変化と健康への効果は分けて考える必要があります。

ゲン
ゲン
腸内細菌が増えたり種類が変わったとしても実際に体にどんな変化があったのかまで確かめることが大切だね!

腸内細菌は増えればよいというものではない

私たちの腸には、さまざまな種類の細菌が存在しています。それぞれの細菌は食べ物の成分を利用したり、ほかの細菌と関わり合ったりしながら活動しています。研究ではビフィズス菌などの特定の細菌が増えたかどうかを調べることがありますが細菌の数が増えたという結果だけで便通や体調が改善したと判断することはできません。

また腸内細菌の種類が豊富であることを「多様性が高い」と表現し多様性は腸内環境を調べる指標の一つですが数値が高いほど必ず健康によいという単純な関係ではありません。大切なのは、どのような細菌が変化し、その変化が体の状態とどのように関係しているかを確かめることです。

短鎖脂肪酸が増えた場合はどう考える?

玄米に含まれる食物繊維の一部は腸内細菌によって利用され、その過程で作られる物質の一つが短鎖脂肪酸で酢酸・プロピオン酸・酪酸などがあり腸の働きや体内のさまざまな仕組みに関係していますが研究で便の中の短鎖脂肪酸が増えたとしても、それだけで健康への効果が確認されたことにはなりません。短鎖脂肪酸は腸内で作られる一方、その多くが体内に吸収され便に残った量は作られた量と吸収された量などの影響を受けるためです。

健康への効果は何を調べれば分かるの?

腸内環境の変化が実際の健康と関係しているかを考えるには腸内細菌だけでなく排便回数・便の状態・お腹の張りなども確認することが役立ちます。例えば玄米を食べた人で特定の腸内細菌が増え同時に排便回数にも変化が見られた場合には両者の関係を詳しく調べる手掛かりになります。

ただ2つの変化が同時に起きたからといって増えた細菌が排便回数を変えたと証明されたわけではありません。研究結果を読むときには腸内細菌の変化が確認されたのか、それとも便通などの健康に関係する変化まで確認されたのかを区別することが大切です。

玄米と腸内環境の研究から何が分かるの?

玄米と腸内環境の研究を見ていくと玄米を含む食事によって腸内細菌の種類や割合などが変化する可能性が示されています。例えば2013年に健康な成人28人を対象として行われた研究では玄米・大麦・両者を組み合わせた食品をそれぞれ4週間摂取したところ腸内細菌の多様性などに変化が報告されました。

この研究では腸内細菌だけでなく血液中の炎症に関係する指標や食後血糖値なども調べられています。特に玄米と大麦を組み合わせた条件では一部の指標に改善が見られましたが参加者は28人と比較的少なく研究期間も限られています。また玄米をフレーク状にした食品が使われているため普段の玄米ご飯でも同じ結果が得られるとはいえません。

研究によって結果が違うことにも意味がある

玄米を食べた人の腸内細菌に変化が見られた研究がある一方で明確な違いが確認されなかった研究もあります。これは必ずしも研究結果が矛盾しているということではありません。参加者の年齢・健康状態・食べた玄米の種類・摂取期間・普段の食事内容などが異なれば結果にも違いが現れる可能性があります。

例えば成人を対象とした研究で得られた結果を、そのまま子どもや高齢者に当てはめることはできませんし数週間の研究で腸内細菌に変化が見られたとしても、その変化が数か月後や数年後まで続くかどうかは別に確かめる必要があります。

現在の研究で分かること・これから調べたいこと

ここまでの研究結果を整理すると次のようになります。

研究から考えられること 現時点での理解
玄米と腸内細菌の関係 玄米を含む食事によって腸内細菌の構成が変化する可能性がある
玄米と短鎖脂肪酸の関係 食物繊維などが腸内細菌に利用される仕組みは知られているが玄米摂取による変化は研究条件ごとに確認が必要
玄米と便通の関係 玄米そのものの摂取による便通への効果を判断するには適切な比較研究が必要
玄米と白米の違い 成分に違いはあるが腸内環境への影響については研究結果を慎重に比較する必要がある
長期間食べた場合 腸内細菌の変化が長く続くかどうかについて、さらに研究が必要

腸内環境の研究は現在も発展している分野ですが、そもそもどのような腸内細菌の状態がすべての人にとって健康的なのかについても、まだ統一した答えがあるわけではありません。

玄米を食べることと研究結果を結びつけて考える

玄米は普段の食生活に取り入れられる身近な穀物で食物繊維などの成分を含んでいることは栄養成分の分析から分かっていますが玄米を食べたときに腸内細菌がどのように変わるのか、その変化が便通や健康状態にどの程度関係するのかについては研究を重ねながら理解が進められています。

玄米と腸内環境の研究を読むときには結果が「よかった」「変わらなかった」という部分だけでなく、どのような人が何を食べ何を調べた研究なのかにも目を向けてみてください。一つひとつの研究が示している範囲を知ることで玄米に関する健康情報を、より確かな根拠に基づいて理解できるようになります。

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あとがき|小さな腸内細菌を知るための大きな技術

私たちの腸の中には肉眼では見ることのできない小さな細菌が数多く暮らしています。ところが、こうした細菌の存在を詳しく調べられるようになったのは科学の長い歴史から見れば比較的最近のことです。かつて腸内細菌を調べるには採取した細菌を培養して増やす方法が中心でしたが腸内には一般的な培養方法では育てにくい細菌も多く実際に存在していても十分に調べられないものがありました。

その状況を大きく変えたのがDNAを調べる技術の進歩で細菌を一つひとつ培養しなくても便などに含まれるDNAの情報から、どのような細菌が存在するのかを推定できるようになりましたので今では腸内細菌の種類だけでなく、それぞれが持つ遺伝子や作り出す物質についても研究が進められています。

普段何気なく食べている一膳の玄米も、こうした技術によって新しい角度から調べられるようになりました。身近な食べ物と目に見えない微生物の世界が研究技術の発展によって少しずつ結びついていく。その歩みを知ることも玄米の科学を学ぶ楽しみの一つではないでしょうか。

ここまでお読みくださりありがとうございます。さらに玄米と体重管理についてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。

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