北海道米として知られる「ゆめぴりか」白米として食べたことはあっても玄米ではどのような味や食感になるのでしょう?玄米というと硬さや噛み応えなどに目が向きやすいですが、ゆめぴりかには特徴があります。適度にアミロース含有率が低く粘りややわらかさを特徴とするゆめぴりかを糠層や胚芽を残した玄米で食べるとどう感じられるのでしょうか。
このコンテンツでは、ゆめぴりかが生まれた背景や品種としての性質から玄米で食べたときの味・香り・粘り・粒感さらに同じゆめぴりかを白米で食べた場合との違いまで順番に見ていきます。「ゆめぴりかの玄米」という視点からじっくり見ていきましょう。
ゆめぴりかとは?品種を知る
「ゆめぴりか」は北海道で育成されたうるち米の品種で白米として名前を知っている方も多いかもしれませんが玄米の品種を知るという視点から見ると北海道で進められてきた米の品種改良を知る手掛かりにもなる品種です。
北海道では本州より低い温度条件で米が実ることから、かつては米のでんぷんに含まれるアミロースやタンパク質の割合が高くなりやすく、ご飯の粘りや食感の面で課題がありました。そこで北海道では食味に優れた米を目指した品種改良が進められ「きらら397」「ほしのゆめ」「ななつぼし」などが次々に誕生します。その流れの中で生まれたのがゆめぴりかです。
ゆめぴりかの系統名は「上育453号」です。北海道立上川農業試験場で「札系96118」を母「上育427号」を父として交配し、その後の選抜や各種試験を経て北海道の優良品種となりました。現在の道総研の水稲育成品種一覧にも、ゆめぴりかは上川農業試験場の育成品種として掲載されています。
ここで玄米について考えてみましょう。「ゆめぴりか玄米」という別の品種が存在するわけではありません。田んぼで収穫されたゆめぴりかから籾殻を取り除き糠層や胚芽を残した状態がゆめぴりかの玄米で、さらに精米して糠層や胚芽の多くを取り除けば白米になります。
つまり玄米も白米も同じ品種で、どちらにも「ゆめぴりか」という一つの名前があります。ゆめぴりかはどのような性質を持つ米なのでしょうか見ていきたいと思います。
ゆめぴりかはなぜ粘りが強い?品種の特徴を知る
ゆめぴりかという品種を知るうえで重要な手掛かりになるのが「アミロース」で米のでんぷんは主にアミロースとアミロペクチンから構成され、その構成は炊いたご飯の粘りや硬さなどに関係しています。
ゆめぴりかはアミロース含有率が適度に低い品種として育成されました。道総研の育成資料でも適度に低いアミロース含有率などが良好な食味につながったことが示されています。その性質は系譜にも見ることができ母となった「札系96118」は農研機構北海道農業研究センターで育成された低アミロースの良食味系統で「きらら397」の変異系統に由来します。
一方、父となった「上育427号」は後の「ほしたろう」で、こうした系統を交配し選抜を重ねて誕生したのがゆめぴりかでした。実際の食味試験にも品種の特徴が表れていて農研機構のイネ品種データベースには、ゆめぴりかとななつぼし・ほしのゆめ・コシヒカリなどを比較した複数の試験結果が収録されています。
試験条件によって数値には違いがありますが、ゆめぴりかでは粘りが強く硬さが低く評価された例が確認できます。たとえば2006年に中央農試で行われたななつぼしとの比較では、ゆめぴりかは粘りが+0.47で硬さが-0.37でした。
こうした食味試験で確認される品種としての性質と糠層や胚芽を残した玄米を実際に炊いて感じる食感は同じとはいえません。「粘りややわらかさを持つゆめぴりかという品種を玄米の状態で食べたらどう感じるのか」次章では「低アミロースだからもちもち」で終わらせず甘み・香り・玄米らしい風味まで分けながら、ゆめぴりか玄米の味を見ていきましょう。
ゆめぴりかを玄米で食べると味や香りはどうなる?
ゆめぴりかを玄米で食べるときに注目したいのは白米で知られている甘みや粘りだけではありません。糠層や胚芽を残した玄米として食べることで同じゆめぴりかでも白米とは少し違った味や香りの重なりを楽しめます。
ゆめぴりかは甘みを特徴として紹介される品種
ゆめぴりかは北海道米の中でも甘みや粘りを特徴として紹介されることの多い品種で北海道米販売拡大委員会の「プレミアム北海道米」では、ゆめぴりか玄米について品種の特徴であるほど良い粘りと豊かな甘みが玄米独特の食感を引き立てると紹介されています。
ただ「甘みがある」という表現だけで、ゆめぴりかの味を決めてしまう必要はありません。農研機構に収録されているゆめぴりかの食味試験を見ると、ほしのゆめを基準とした12回の平均では、ゆめぴりかは総合評価+0.62で粘り+0.76そして硬さ-0.69だったのに対して、うま味は+0.06で香りは+0.03でした。
試験条件や基準品種によって結果は変わりますが少なくともこの試験では「香りが際立って強い」というより粘りややわらかさがゆめぴりかの特徴としてはっきり表れています。そのため、ゆめぴりか玄米の味を見るときも「甘い米」と一言で決めるのではなく甘み・香り・粘り・口当たりを分けながら確かめてみると品種の特徴が見えてきます。
玄米にすると穀物らしい風味が重なる
同じゆめぴりかでも玄米と白米では米粒の状態が違い白米は精米によって糠層や胚芽の多くが取り除かれていますが玄米には果皮・種皮・糊粉層などが残されています。そのため玄米で食べる場合は白米で感じるゆめぴりかの味だけでなく玄米特有の風味も一緒に味わうことになります。
実際にゆめぴりか玄米を扱う販売者からは甘みだけでなく「香ばしさ」「噛むほどに広がる甘み」などの表現も見られます。ここで大切なのは、こうした表現を品種そのものの研究結果とは分けて見ることです。「ゆめぴりかだから香ばしい」と考えるよりも、ゆめぴりかが持つ品種としての味わいに玄米として食べることで感じられる穀物らしい風味が重なると考えると分かりやすいでしょう。
噛みながら味の変化を確かめてみる
ゆめぴりか玄米を食べるときは一口目だけで味を判断せず噛みながら変わっていく味にも注目してみると楽しめます。実際に玄米として販売されているゆめぴりかには「奥深い甘み」「噛んだときのほどよい粘り」などの食味表現が見られ、ゆめぴりかを使った寝かせ玄米でも「噛むほどに甘みが広がる」と紹介されています。
もちろん感じ方には個人差があり産地・収穫年・保存状態・浸水・水加減・炊飯方法によっても炊き上がりは変わります。それでも最初に感じる香りはどうか。噛み始めたときに玄米の粒をどう感じるか。噛み進めると甘みをどう感じるかと順番に確かめていけば単に「玄米は玄米の味」と考えていた一膳から、ゆめぴりかという品種の特徴を探す楽しみが生まれます。
白米で知られているゆめぴりかの個性と玄米だからこそ加わる風味。その二つが重なったところに、ゆめぴりかを玄米で食べる面白さがあります。
ゆめぴりか玄米の食感|粘りと粒感を確かめる
ゆめぴりか玄米の特徴を知るうえで味とともに注目したいのが食感で、ここでは「ゆめぴりかはもちもちしている」という言葉だけで考えず品種が持つ粘りと玄米として残っている表層部分による噛み応えを分けて考えてみましょう。
ゆめぴりかには粘りとやわらかさにつながる品種特性がある
ゆめぴりかは適度にアミロース含有率が低く粘りややわらかさを特徴とする品種です。農研機構の食味試験でも、ほしのゆめを基準とした複数回の平均で粘りは高く硬さは低い方向に評価されています。ここまでは主として精白米を炊飯したときに確認されている品種の特徴です。では、そのゆめぴりかを玄米にすると同じ食感になるのでしょうか。ここには「玄米」というもう一つの条件が加わります。
玄米には粒を包む層が残っている
ゆめぴりかは粘りややわらかさを感じやすい性質を持つ品種ですが玄米で食べる場合は白米とまったく同じ食感になるわけではありません。その理由の一つが米粒の外側に残っている層です。玄米には果皮・種皮・糊粉層などが残っています。
玄米と精白米を比較した研究では、こうした外側の層がある玄米は水を吸収するまでに時間がかかり炊飯後も精白米より水分量が少なくなることが報告されています。つまり、ゆめぴりかを玄米で炊くと米粒の内側には品種が持つ粘りややわらかさがあり外側には玄米ならではの粒感や噛み応えが残ります。
実際に食べるときは、まず玄米らしい粒を感じ噛んでいくと内側の粘りややわらかさを感じるというように一粒の中に異なる食感を見つけられるはずです。「玄米らしい粒感」と「ゆめぴりかの粘り」この二つがどのように重なって感じられるのかを確かめてみることが、ゆめぴりかを玄米で味わう面白さの一つです。
低アミロース米の特徴は玄米飯にも表れる?
興味深い研究があります。低アミロース巨大胚品種「金のいぶき」低アミロース品種「たきたて」普通品種「ひとめぼれ」の玄米を比較した研究では浸漬条件によって玄米飯の物性や食味に品種間の違いが表れることが確認されています。
これはゆめぴりかを直接調べた研究ではありませんが「玄米にすれば品種による食感の違いがすべて消えてしまう」と考えなくて良いことを示す一つの手掛かりになります。別の研究では低アミロース米のミルキークイーンとひのひかりを玄米で炊飯して組織を観察したところミルキークイーンではデンプンの膨潤や糊化の状態に違いが確認されています。
ゆめぴりかについても低アミロースという品種の性質と玄米の構造の両方から食感を見ていく価値があるはずです。
浸水や炊飯方法によっても食感は変わる
もう一つ忘れてはいけないのが炊き方で玄米類を調べた研究では浸漬時間を設けることで硬さが低下して粘りが増す傾向が確認されています。また加圧して炊飯した場合にも硬さが低下し粘りが増す傾向が報告されています。玄米と精白米を比較した研究でも玄米は吸水速度が遅いことが確認されています。
そのため「ゆめぴりか玄米は硬い」「ゆめぴりか玄米はもちもちしている」のどちらか一つで食感を固定してしまうのではなく品種×精米状態×浸水×水加減×炊飯方法という複数の条件によって一膳の食感が決まると考える方が実際に近くなります。
玄米の硬さが気になる人にも試してほしい品種
玄米の硬さやパサつきが気になる方にとって、もともと粘りややわらかさにつながる性質を持つ品種から玄米を選んでみるのも一つの方法です。ゆめぴりかは、その候補として興味深い品種です。ただ低アミロースだから、どのような炊き方でも白米のようにやわらかくなるという意味ではありません。
玄米には糠層などが残っており浸水や水加減そして炊飯方法によっても食感は変わりますので、ゆめぴりか玄米では単純な「やわらかい・硬い」だけでなく粘りがあるのに粒も感じる。噛み応えがありながら内側にはやわらかさを感じる。といった玄米ならではの食感を探してみるのも一つの楽しみ方です。
ゆめぴりかという品種の性質を知ってから一膳の玄米を食べてみると、これまで「玄米の食感」と一括りにしていたものの中にも品種による違いが隠れていることに気づくかもしれません。
ゆめぴりかの玄米と白米を食べ比べる
ここまで、ゆめぴりかが持つ粘りややわらかさにつながる性質と、それを玄米で食べたときに加わる粒感や噛み応えについて見てきました。では同じゆめぴりかを玄米と白米で用意して食べ比べると、どのような違いが見えてくるのでしょうか。
これは単に「玄米と白米はどちらがおいしいか」を比べたいところですが同じ品種でも精米状態が変わると味・香り・食感のどこが目立つようになるのかに注目すると、ゆめぴりかという品種をもう一歩深く知ることができます。
白米ではゆめぴりかの粘りとやわらかさが分かりやすい
まず白米から食べてみると、ゆめぴりかの品種としての特徴を比較的捉えやすくなります。ゆめぴりかは適度にアミロース含有率が低く農研機構に収録された食味試験でも粘りが強く硬さが低い方向に評価された例が数多くあります。
北海道米販売拡大委員会でも、ゆめぴりかは豊かな甘みと濃い味わいを持ち粘りが強くやわらかいことを特徴として紹介しています。白米では糠層や胚芽の多くが精米によって取り除かれているため炊飯すると米粒の内部のでんぷんによる食感を感じ取りやすくなります。
一口食べて終わらせず舌の上で感じるやわらかさ噛んだときの粘り口の中でまとまっていく感覚へ順番に意識を向けてみると、ゆめぴりかが「粘りのある米」といわれる理由を見つけることができます。
玄米では粘りの中に粒の存在を感じる
次に同じゆめぴりかを玄米で食べてみます。玄米には果皮・種皮・糊粉層などが残っているため白米と同じ品種であっても口へ入れたときの印象は変わります。白米では最初からやわらかなご飯として感じやすかったものが玄米ではまず一粒一粒の存在を感じ噛んでいくにつれて内側のやわらかさや粘りへ気づくという食べ方になります。
北海道米販売拡大委員会も、ゆめぴりか玄米について品種が持つ、ほど良い粘りや豊かな甘みと玄米独特の食感との組み合わせを特徴として紹介しています。ここがゆめぴりかを玄米で食べ比べるときの興味深いところです。白米では粘りややわらかさが前に出る。玄米では粒感や噛み応えの向こうから粘りや甘みを探していく。同じゆめぴりかでも精米状態が違うことで品種の特徴の感じ方まで変わってきます。
香りは「強さ」だけでなく種類の違いを見る
香りも比べてみましょう。ゆめぴりかの白米では炊き上がったご飯そのものの香りを確認します。一方の玄米では糠層や胚芽が残っているため白米とは異なる穀物らしい香りや香ばしさを感じることがあります。
そのため「どちらの香りが強いか」だけを比べるより「白米ではどのような香りを感じ玄米ではどのような香りが加わったように感じるか」と比べる方が違いを捉えやすくなります。香りの感じ方は炊飯直後の温度や保存状態などによっても変わるため、できれば同じ収穫年・産地のゆめぴりかを近い条件で炊いて比べると分かりやすいでしょう。
甘みは噛む回数も意識して比べてみる
甘みについても玄米と白米では感じ方が同じとは限りません。白米ではやわらかな食感とともにゆめぴりかの甘みを感じやすい一方、玄米では外側に残る層を噛みながら食べるため噛み始めから飲み込むまでの味の変化にも注目できます。
そこで玄米を食べるときは最初の一口だけで判断せず少しゆっくり噛んでみます。噛み始めはどうか。粒がほどけてくるとどうか。最後に口へ残る味はどうか。白米も同じように食べれば「ゆめぴりかは甘い」という一つの表現から自分はどの段階で甘みを感じたのかまで食べ比べることができます。
同じ品種を比べるから違いが分かりやすい
玄米と白米の違いを確かめたい場合、異なる品種同士を比べると「品種の違い」と「精米状態の違い」が重なってしまいます。たとえば、ゆめぴりかの玄米と別品種の白米を比べても感じた食感の違いが玄米だからなのか品種が違うからなのか判断しにくくなります。
そこでおすすめしたいのが同じゆめぴりかの玄米と白米を並べる食べ比べです。
| 確かめるところ | ゆめぴりか玄米 | ゆめぴりか白米 |
|---|---|---|
| 最初の食感 | 粒感・噛み応えに注目 | やわらかさに注目 |
| 噛んだとき | 粒の内側の粘りを探す | ご飯全体の粘りを確かめる |
| 味 | 噛みながら変わる味を見る | 甘みや味の広がりを見る |
| 香り | 穀物らしい風味にも注目 | 炊いた米そのものの香りに注目 |
| 後味 | 玄米らしい風味がどう残るか | ゆめぴりかの味がどう残るか |
同じ品種を二つの状態で食べてみることで「玄米だから違うところ」と「ゆめぴりかだから共通しているところ」の両方を探せます。
精米すると品種の個性が消えるわけではない
玄米から白米になることを単純に「玄米の特徴がなくなる」と考える必要もありません。玄米も白米も、もとをたどれば同じゆめぴりかです。精米によって米粒の外側の状態が変わることで口に入れたときに前へ出てくる特徴が変わります。白米で食べれば、ゆめぴりかの粘りややわらかさを確かめる。玄米で食べれば粒を噛みながらその内側にある粘りや味わいを探してみる。
このように食べ比べてみると玄米と白米の違いを知るだけではなく一つの品種が精米状態によって違った表情を見せることにも気づきます。玄米を品種から知るというのは品種名を覚えることだけではありません。一粒を玄米で食べてみる。白米でも食べてみる。そして味・香り・食感の違いを自分の口で確かめてみる。その食べ比べそのものが、ゆめぴりかという品種を知る一つの方法になります。
ゆめぴりかを玄米で食べるから見えてくる品種の個性
ゆめぴりかを玄米で見ていくと「玄米」という言葉だけでは表しきれない違いがあることに気づきます。玄米というのは品種名ではなく収穫した米から籾殻を取り除き糠層や胚芽を残した状態を表す言葉です。その一粒一粒には、ゆめぴりか・ななつぼし・コシヒカリ・あきたこまちなど、それぞれの品種があります。
「玄米の食感」だけで考えなくてもよい
玄米を食べたときに「硬い」「粒感がある」「よく噛む」と感じれば、それを玄米全体の特徴だと思うことがありますが、ここまで見てきたゆめぴりかには適度に低いアミロース含有率を持ち粘りややわらかさにつながる品種としての性質があります。
そこへ玄米として残されている糠層などによる粒感や噛み応えが加わります。つまり一膳の玄米で感じている食感には玄米だから生まれる特徴と品種だから生まれる特徴の両方が重なっていると考えることができます。「玄米はどれも同じ」と考えず、その玄米が何という品種なのかまで見てみると玄米選びの楽しみ方が一つ増えてきます。
品種が変われば注目するところも変わる
ゆめぴりかでは粘り・やわらかさ・甘みなどが品種を見る重要な手掛かりになりましたが、すべての玄米をゆめぴりかと同じ基準で見る必要はありません。粒立ちを感じやすい品種もあれば粘りに特徴を持つ品種もあります。さらに同じ品種でも産地・栽培条件・収穫年・保存状態・浸水・水加減・炊飯方法などによって実際の炊き上がりは変わります。
だからこそ玄米を品種から見るときは「この玄米はおいしいか」だけではなく「この品種にはどのような特徴があり、それが玄米ではどのように感じられるだろう」という見方ができます。ゆめぴりかで粘りを確かめたら次は違う特徴を持つ品種を食べてみる。その違いを一つずつ確かめていけば自分が玄米に求めている食感や味も少しずつ見えてきます。
「玄米を選ぶ」そして「品種を選ぶ」へ
スーパーや米店で玄米を探すとき、これまでは「玄米」と書かれていることだけを見て選んでいたかもしれません。そこでもう一つ袋に書かれている品種名を見てみます。ゆめぴりかなのか、ななつぼしなのかコシヒカリなのかあるいは、まだ食べたことのない品種なのか。
品種名が分かれば、その米がどこで生まれどのような特徴を持ち、どのような米を目指して育成されたのかをたどることができます。そして実際に玄米として炊いてみれば資料で知った品種の特徴を自分の一膳で確かめることもできます。「玄米を買う」から「この品種の玄米を食べてみる」へ選び方が少し変わるだけで玄米の世界はぐっと広がります。
一粒から次の品種へ
ゆめぴりかについて調べていくと低アミロースという性質だけでなく、その背景にある系譜や北海道で続けられてきた品種改良にも行き着きました。さらに玄米と白米を食べ比べれば同じ品種でありながら精米状態によって味・香り・食感の感じ方が変わることも見えてきます。
一粒の玄米から品種・系譜・でんぷん・精米・炊飯・食味へと興味を広げていくことができます。そして、ゆめぴりかを知ったら今度は別の品種を選んでみます。それぞれの違いを知りながら実際に食べてみることで「玄米」という一つの言葉の向こう側に、たくさんの品種があることが見えてきます。
どの玄米が一番なのかを決めるのも良いですが一粒一粒の違いを知り自分が好きな玄米を探していくというように、ゆめぴりかの玄米は、そんな「玄米を品種から見る」という楽しみ方を知る一粒にもなります。
あとがきとして「ゆめぴりか」という名前をもう一度眺めてみる
米の品種名を見ていると、その土地や育成した人たちの思いが垣間見えることがあります。「ゆめぴりか」という名前も少し不思議です。「ゆめ」は日本一おいしい米をつくるという北海道の人たちの「夢」「ぴりか」はアイヌ語で「美しい」という意味を持ちます。一般公募によって寄せられた名前の中から選ばれました。
今では店頭でも見慣れた名前ですが一つの品種が誕生するまでには交配を行い何世代にもわたって米を育て、その中から目的に合ったものを選び続ける長い時間があります。私たちが茶碗の中で出会う一粒は、その長い品種改良のずっと先にある一粒でもあります。
玄米を食べるとき袋に書かれた「ゆめぴりか」という小さな文字を眺めてみる。そこから品種の名前の由来を調べたり親となった米をたどったり生まれた土地へ目を向けたりするのも玄米の楽しみ方ではないでしょうか。
次に知らない品種名を見つけたときは「これはどこで生まれた米なのだろう」と少し立ち止まってみてください。一粒の玄米の向こうに、まだ知らない物語が見つかるかもしれません。
ここまでお読みいただきありがとうございます。さらに、にこまるの玄米についてご興味がおありの方は下のボックスから内部リンクしておりますのであわせてお読みください。
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